節度を欠いた繁栄があるところには暴力が、あらゆるかたちの非倫理的な放縦が存在します。腐敗しきった、不道徳きわまりない社会――。(『あなたは世界だJ・クリシュナムルティ竹渕智子訳)
 間もなく、曲を十分理解し、時計職人のように小さな部分を調整し、磨き上げることができるだろう。その時、音楽がわたしにもたらしたもの、わたしが音楽にもたらしたものが、指から紡(つむ)ぎ出されてくる。(『ピアノ・ソナタS・J・ローザン:直良和美訳)
「国の借金は過去最高で、先進国の中で最悪の水準。しかし一方で、対外純資産は過去最高で日本は17年連続世界最大の債権国」。つまり、日本は「最悪の借金を持つ国」であり、かつ同時に、「世界で一番の大金持ちの国」であるというのだ。(『国債を刷れ! これがアベノミクスの核心だ廣宮孝信

税金
 何よりも重要なのは、ツボは神経の交差点であり、多くは骨のキワに存在するということ。なぜなら、人間にとって大切な神経の多くは、骨に守られるようにして体内を走っているからです。つまり、ツボは体の表面ではなく、奥にあるのです。(『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本加藤雅俊
 インナーマザーは、実際の母親とは少し違います。親そのものというより「世間様」といってよいかもしれません。というのは、母親も父親も、「自分の」考えで子どもを教育する前に、「世間様」にひれふしている場合が多いからです。(『インナーマザー あなたを責めつづける心の中の「お母さん」斎藤学

支配
 たとえば、会社の文化に完全に染まり、その中に埋没している社員は、社風改革や企業風土改革に対する「抵抗勢力」になってしまうことが少なくないでしょう。(『制度と文化 組織を動かす見えない力』佐藤郁哉、山田真茂留)
「他方で、砂漠の経験は研ぎすまされた聴覚とも関係があります。全身を耳にする経験と言っても差しつかえありません」(エドモン・ジャベス)
(『離散するユダヤ人 イスラエルへの旅から小岸昭

ユダヤ人
 宗教団体法の原型となった「宗教法案」が最初に登場したのは、明治22年(1889年)のことだった(山県有朋首相が提出)。要するに、監督管理する代わりに、特典が与えられるアメとムチが中身だった。(『ルポ・宗教 横山真佳報道集 1横山真佳
「麻薬をうめこまれると、もう頭の中がグルグルになって何がなんだかわからなくなる。
 そしてものすごく人を殺したくなる。だれを殺すのも怖くなかったし、自分が死ぬことも怖くなかった。なんの感情もなく、急にただ殺したいって思うようになるんだ」
(『ダイヤモンドより平和がほしい 子ども兵士・ムリアの告白後藤健二

少年兵
 たけのこよぼくもギブスがとれるんだ(畑上〈はたがみ〉洋平)
『地球歳時記90』(平成3年)所収。上記の本は日本航空が世界の子供たちに自国語でハイクを作るよう呼びかけ、19言語による応募作品60000の中から、特選および入選作品を選んで編んだ作品集。(中略)これは長野県の小学2年生畑上君、7歳。ギブスも竹の子の皮も、とれて爽快。
(『折々のうた 第十大岡信編)

詩歌
 もちろん、私たちは写真に対する信頼が、激しく揺らいでいることを承知している。というのは、写真は嘘をつかなくても、嘘つきが写真を撮ることは可能だからだ。(ルイス・W・ハイン)
(『地球のハローワーク』フェルディナンド・プロッツマン)
 ベトナム政府と、圧倒的な軍事力で蹂躙してくるアメリカに抗議するため、ガソリンをかぶってわが身を焼いたのだという。ふるえがきた。誇らしかった。噴きあがる炎が、まったく異なる精神のかたちに見えた。(『焼身宮内勝典
 情熱の大半には、自己からの逃避がひそんでいる。何かを情熱的に追求する者は、すべて逃亡者に似た特徴をもっている。(『魂の錬金術 エリック・ホッファー全アフォリズム集エリック・ホッファー
 ただ、私は国家の通貨の発行を支配したいだけだ。それができれば、誰が法律を作ろうと、私はかまわない。――メイヤー・ロスチャイルド(ロスチャイルド家初代)
(『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉)
 必要なことは、「東大話法」に代表されるような、日本社会に蔓延する欺瞞話法を鋭く見抜くことです。他の人が仕掛けてくる「東大話法」を感知して、騙されないことです。(『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語安冨歩
 夜はどこまでも夜だ、
 夏はどこまでも夏だ。

 私たちは走っている、
 私たちは流れている、
 私たちは動いている。

 見よ、月が後を追う。

(『見よ 月が後を追う丸山健二
 印刷は16世紀になると個人主義と国家主義を生み出した。(『メディア論 人間の拡張の諸相』マーシャル・マクルーハン)
【希望】は独特の仕方で【服従】と結合している。両者がお互いに支え合っているのである。(『イエス』R・ブルトマン)
「マミー、どの子にもお父さんがいるよ。なぜ私にはお父さんがいないの?」(『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク)

ルワンダ
 僕栄(ぼくえい)の声に真実のひびきがあった。
 絶望的な境遇に身をおいて、はじめて自分という者がわかった声である。人はほんとうに独(ひと)りにならなければ、自分がわからぬものか。
(『孟嘗君宮城谷昌光
 人には他人にいえぬことがある。
 それをことばではなく、心でわかることが、ほんとうにわかるということではないのか。真意というものはことばにすると妄(うそ)になる。だから、いわない。黙っていることが真実なのである。
(『孟嘗君宮城谷昌光
 田文(でんぶん)は夏候章(かこうしょう)に会い、
「なにが人を狂わせるのだろう」
 と、謎をかけるようなことをいった。
 夏候章という読書ずきの少年は、すかさず、
「虚(きょ)です」
 と、こたえた。謎にたいして謎でこたえたようなものである。
 田文は夏候章をみつめた。説明を待つ表情である。
「虚に実(じつ)はないのに、実をそこにみようとするから、狂うのです」
(『孟嘗君宮城谷昌光
 公孫鞅(こうそんおう)の律令は、のちのちまで国家の則(のり)となり、唐(とう)代までおよんだため、その律令をまなんだ日本も同様の律令をつくった。つまり日本の律令のみなもとは公孫鞅の律令にあったといってよい。(『孟嘗君宮城谷昌光
学問についていえば、学問は人を助成するとはかぎらず、そこなうことがあるのです」(『孟嘗君宮城谷昌光
 ともかく、酒は、呑んでいる間はいつでも呑み足りない感じがするのに、呑み終わった時点で振り返ってみると、必ずや呑み過ぎている、世にも不思議な液体だ。(『「ふへ」の国から ことばの解体新書小田嶋隆
 まず最初に、ペルシャ帝国、ついでアレクサンドロス大王の帝国、そしてローマ帝国による政治的統一は、東洋と西洋、より厳密にはインドとギリシャのあいだの交流を数世紀にわたって促進した。(『仏教と西洋の出会いフレデリック・ルノワール今枝由郎訳)

仏教
 真理、または神を見出すためには、信仰も、不信仰もあってはならない。信者は、不信仰者と変わらない。どちらも真理を見出すことはないであろう。(『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 4J・クリシュナムルティ:大野純一訳)

宗教
 何かでいっぱいの精神は、決して自由な精神ではない。たとえ至高なるものでいっぱいになっていようと、あるいは些細なことでいっぱいになっていようと。(『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 3J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
 あなたが不幸なのは、井戸を満たしておく泉がないからだろうか?(『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 2J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
 ただひとりある者はしなやかであり、そしてそれゆえ不朽である。(『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 1J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
三枝●しかも、そこではいつでも現在が中心になっています。ですから、仏教では現在・過去と並称するときには決して「将来」ということばは使わない。「未来」ということばを使う。(『仏教と精神分析三枝充悳岸田秀
アンドレア●英雄のいない国は不幸だ。
ガリレイ●ちがう、英雄を必要とする国が不幸なのだ。(「ガリレイの生涯」)
(『ブレヒトの写針詩』ベルトルト・ブレヒト:岩淵達治編訳)
 しかし、1519年にいたって、科学は圧倒的な勝利を博した。マゼランがあの有名な航海を行なったのである。彼は地球がまるいことを実証した。なぜなら、彼の遠征隊は地球を一周したからだ。彼は対蹠面存在説を実証した。(『科学と宗教との闘争』ホワイト:森島恒雄訳)

科学と宗教
 遠慮なくものをいうことは、一つの知的義務である。(『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳)
「悪いニュースを耳にした直後に重大な決断をしてはいけない」(『ウォッチメイカージェフリー・ディーヴァー
 国は詩人を必要とはしていない。哲学者も宗教家も必要としていない。国が必要としているのは、寸法と量が計れる生産性。ストップウォッチで計測できる成功だ。(『チャイルド44トム・ロブ・スミス
 なぜこういうことになったか。
 ふたたび繰り返すが、それは近代日本軍が兵士は上官の命令に服従するという近代軍隊の組織原理は模倣しながら、無能な上官を排除するというもう一つの組織原理は採り入れなかったからである。
(『歴史を精神分析する岸田秀
 あるひとりの人の自伝を判断する基準は、その自伝を叙述した書物のページ数ではなく、もっぱらその書物が秘めている内容の豊かさだけなのです。(『それでも人生にイエスと言うV・E・フランクル:山田邦男、松田美佳訳)

ナチス強制収容所
 人間というのは、次々に誰かを、誰か身近な存在を、喪っているものさ、他人が死ぬから自分は生きている、つまり大袈裟(おおげさ)に言えば、人生というのは自分が死ぬまで他人の喪に服しているのだと考えることもある。(『忘却の河福永武彦
 検閲を警戒すること。しかし忘れないこと──社会においても個々人の生活においてももっとも強力で深層にひそむ検閲は、【自己】検閲です。(『良心の領界スーザン・ソンタグ
「比較と順応がないとき、葛藤は姿を消します。そして生は君たちのでも私のでもない英知です――単にそうなるのです」クリシュナムルティは言っていた。「葛藤のない心だけが宗教的なのです」(『キッチン日記 J・クリシュナムルティとの1001回のランチマイケル・クローネン:高橋重敏訳)
 どこかの国で起こっている惨禍の見物人であることは、典型的な現代の経験であって、ジャーナリストという名で知られる職業的な特殊な旅行者たちがそれを絶えず提供してきた。(『他者の苦痛へのまなざしスーザン・ソンタグ
 ある程度の力は激しい形で示されるが、最大の力は軽く表わされる。(『木曜の男』G・K・チェスタトン)
 学、論、法、と来て、さらにいっそう頭より手の方の比重が大きくなると、何になるか、というと、これが術、なんです。術、というのは、アートです。(『言語表現法講義』加藤典洋)
 部屋が静まり返った。ペーターの中の扉が開いた。そしてからだ全体が外から差し込む強い光をまぶしく感じた。体の隅々まで、素晴らしいことが起きたのだとわかった。
 本当の友を得たのだ。
(『カーリン・アルヴテーゲン柳沢由実子訳)
「自由ってやつは、役所で発行してもらう旅券とはわけが違うんだよ、アミーンおじさん」(『テロルヤスミナ・カドラ:藤本優子訳)
 ロックに出会う年齢は、せめて14歳以上であって欲しい。でないと、きちんとした反社会性と粗暴さが確保できないからだ。(『仏の顔もサンドバッグ小田嶋隆
 あの味が口中に広がった。それは彼女の頭が拒絶したものを受け入れてきた腹の一部から、じわっと滲み出てくる、馴染みの味だった。人々が彼女を支配しようとしている。またもや。(『喪失カーリン・アルヴテーゲン柳沢由実子訳)
 つまらない男だとペルは思った。自分以外のあらゆるものに支配されている。(『スリーピング・ドールジェフリー・ディーヴァー
 えせプロである確かなしるしのひとつは、文章が不明確でわかりにくいことだ。不明確な文章は不明確な思考から生まれる。ほんもののプロなら、込み入ったアイデアを明確にわかりやすく説明することができるはずだ。(『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術カーティス・フェイス楡井浩一訳)

トレーダー
 勝負に勝つ秘訣の中に「耳を澄ます」というものがある。耳を澄ませば、硬さがとれて柔らかくなる。これが強さの秘訣のひとつなのだ。(『「勝負強い人間」になる52ヶ条 20年間勝ち続けた雀鬼がつかんだ、勝つための哲学桜井章一
 周知のように、世界中の教育は失敗したのです。なぜならそれは、歴史上で最も大規模かつ破壊的な戦争を二度も起こしたからです。(『クリシュナムルティの教育・人生論 心理的アウトサイダーとしての新しい人間の可能性J・クリシュナムルティ、大野純一著編訳)
 資本主義社会というのは、この貨幣経済が極端に進んだ社会のことで、すべてが商品として扱われる社会でもある。(『ドンと来い!大恐慌藤井厳喜
 戊辰戦争が外国の二大勢力による代理戦争という性格を色濃く持っていたことは容易に想像がつきます。実際、政権交代を目指す薩長勢力にはイギリスが、政権維持を目論む幕府勢力にはフランスが、潤沢な資金を供給していました。(『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて苫米地英人

支配
 夕日は、斧を磨ぐ子供等のうちに入り込み、確かに彼等の心と融(と)け合っている。そういう心の持ち方しか出来なかった、遠い昔の人の心から、感動は伝わって来るようだ。(『小林秀雄全作品 26 信ずることと知ること小林秀雄

山の人生
 二人の子供がその日当りのところにしゃがんで、頻(しき)りに何かしているので、傍へ行って見たら一生懸命に仕事に使う大きな斧(おの)を磨(と)いでいた。阿爺(おとう)、これでわしたちを殺してくれといったそうである。(『遠野物語・山の人生柳田國男
 アダム・スミス以来、経済学は蓄積された価値、つまり富の問題をほとんど無視してきた。しかし、「大恐慌」は、富に関する考察抜きには理解できないだろう。(『「1929年大恐慌」の謎 経済学の大家たちは、なぜ解明できなかったのか関岡正弘
「ここは?」おれは振り返ってドアの脇に立っている男にきいた。
『修理工場』
「何の?」
『お前みたいなクズの。……ここが修理工場になるか、スクラップ処理場になるかは、お前しだいだ』
(『汝ふたたび故郷へ帰れず飯嶋和一
 人は当然ながらすべての信念を疑うべきである。なぜなら精神は、とりわけ信念によって自分自身を欺く傾向があるからである。(『気づきの探究 クリシュナムルティとともに考える』ススナガ・ウェーラペルマ:大野純一訳)

クリシュナムルティ
 自由ならざる社会においては、他と異なる者は犯罪者である。しかし自由な社会においては、政治的自由の完璧な表現としての「国王陛下の反対党」こそ、社会において欠くべからざる部分であって、明日の統治者ともなるべき存在である。(『ドラッカー名著集9 「経済人」の終わりP・F・ドラッカー上田惇生訳)
歴史は繰り返す”というこの最後の前提を言いかえれば、将来を理解する鍵は過去を研究することにある。すなわち、将来は過去の繰り返しにすぎないということである。(『先物市場のテクニカル分析ジョン・J・マーフィー
「できない」と考えていて何かをなすことはまずありえない。「できる」と考えていた場合にのみ、「できなかった」場合と「できた」場合が生じてくるのである。つまるところ「できる」と考えていない限り、独創の華はうまれないということである。(『独創は闘いにあり西澤潤一
 権力はかならず性を管理しようとするものだが、西洋において性衝動を型にはめようとした強権力のひとつがキリスト教であった。(『エロスと精気(エネルギー) 性愛術指南ジェイムズ・M・パウエル:浅野敏夫訳)

性愛術
 実は私たちはドルを信じているというより、自由な通貨交換のシステムを信じているのです。流動性が鍵なのです。(『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ矢口新

為替
 掃除という単純作業には、目の前のことだけに打ち込むという美点がある。最小限の努力で最大限の成果を得られる、進み続けるべき正道だ。(『あなたに不利な証拠としてローリー・リン・ドラモンド:駒月雅子訳)
「元々、才人は、才をたのんで赤誠の足りないものだ。自然、才に溺れて人を詐(いつわ)り人をだます」(『勝海舟子母澤寛

勝海舟
「非凡な盆栽になるよりも未完の大樹となれ。調和のとれた枝ぶり、美的な姿態、そんな盆栽には欠陥はないかも知れん。だが、荒々しくて、雄渾な生命力に乏しい。人間に重要なのは未完のエネルギーと情熱だ」(『北の大地に燃ゆ 農村ユートピアに賭けた太田寛一』島一春)
 しかし、この飯場の中に溶け込んで、朽ち果てていく気にはどうにもなれなかった。ここは人間の魂が日一日と蝕まれて人間的な情念が喪失し、肉体だけの人間になり果ててしまう社会なのだ。(『真剣師 小池重明団鬼六

将棋
 神と悪魔、彼らと政府やマクドナルドがどれほどちがう? どちらも地元の人間が依存できるものを何かしら提供することで金を得てる、ただのフランチャイズじゃないか。――エドワード・コンスタンザ(『神は銃弾ボストン・テラン:田口俊樹訳)

宗教
 吸う一息の息、吐く一息の息、喰う一匙(ひとさじ)の飯、これら一つ一つの凡(すべ)てが今の私に取っては現世への触感である。昨日は一人、今日は二人と絞首台の露と消えて行く。やがて数日の中(うち)には私へのお呼びも掛って来るであろう。それまでは何の自覚もなくやって来たこれらの事が味わえば味わうほど、このようにも痛切なる味を持っているものかと驚くばかりである。口に含んだ一匙の飯が何ともいい得ない刺戟(しげき)を下に与え、溶けるがごとく喉から胃へと降りてゆく感触を、目を閉じてジット味わう時、この現世の千万無量の複雑なる内容が凡てこの一つの感覚の中にこめられているように感ぜられる。(木村久夫 28歳)『きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記日本戦没学生記念会

戦争
 釈迦は「仏教僧団」に帰依せよとは言っていません。まして、「僧侶」に帰依せよなどとは教えていません。また、釈迦は「釈迦牟尼仏」に帰依せよとも、その他の如何なる「仏陀」に帰依せよとも言っていません。(『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である堀堅士

キリスト教エリザベス・クレア・プロフェット
「それはね、ぼくの頭脳は人間を判断するに当たって、姿形を無視せずにはいられない。それは、金属と肉体の区別さえも二の次であるほどの強い要請なんだ。きみは人間だよ、ジョージ10。おまけに誰よりも優秀だ」(『聖者の行進アイザック・アシモフ:池央耿訳)
 教師は子供たちの不幸にたいして、自分に加害責任のあることをほとんど気にしていない。そこに子供の不幸の根ぶかさがある。(『教育の再生をもとめて 湊川でおこったこと林竹二

教育
「人間の作った房ですから、人間が破れぬはずはありませんよ。あんたの当直の日に逃げてみましょうか」(『破獄吉村昭
「カトリック教会はいったいなぜ、民主主義の正しい宗教的性格をみとめようとはしないのでしょうか。民主主義こそキリスト教であり、キリスト教こそ民主主義であることがわからなのでしょうか」(『永遠の都ホール・ケイン:新庄哲夫訳)
 私は今年で40歳になったが、人生とは何だ? と聞かれたら、多分こう答えるだろう。
「ままにならないのが人生だ」
 笑いたい人は笑えばいい。私は40歳になっても、いまだに“人生とは何か”などということを、こういう表現でしか答えようがない。
 しかし、“ままにならない”ということだけは胃が痛くなるほどよくわかっている。
(『回想王貞治
 冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
 見わたすかぎり冬だ
 再び僕に会ひに来た硬骨な冬
 冬よ、冬よ
 躍れ、叫べ、僕の手を握れ
(『高村光太郎詩集高村光太郎

詩歌
「物事というものは、見かけの半分も悪くはないものですよ」(『少女パレアナエレナ・ポーター:村岡花子訳)
「ああ、平和は雄志を蝕む」(『三国志吉川英治
 人間の暗い夜の面に背を向けたり、目を瞑(つぶ)ったりしては、その暗黒から立ち上がる瞬間の人間の偉大さは分かりません。挫折の深さを知らない人は、勝利の歓びも分かりません。(『ブッダは歩むブッダは語る ほんとうの釈尊の姿そして宗教のあり方を問う友岡雅弥

ブッダ宗教
 E・T・ベルは、『最後の問題』のなかで、「おそらく文明はフェルマーの最終定理が解かれる前に滅びるだろう」と書いた。(『フェルマーの最終定理サイモン・シン:青木薫訳)

数学
 その匂いにとらわれるとき、彼を愛せずにいられないのだ。自分と同じ人間として受け入れるだけでなく、狂ったように愛しだす。忘我のきわみに陥るだろう。よろこびにふるえ、陶酔の声をはりあげ、泣き出しさえするだろう。(『香水 ある人殺しの物語パトリック・ジュースキント池内紀訳)
 この「話しかけられない存在」であることは、迅速で破壊的な影響をもたらした。人は話しかけてこないものに対して、わけの分からない叫び声だけを投げつけてくるものに対して、あえて言葉をかけないものである。(『溺れるものと救われるものプリーモ・レーヴィ:竹山博英訳)

ナチス強制収容所
 きっと、東京というのは、ひとつの巨大な盆踊りの輪みたいなものだ。そして、そこでは、踊っている人間のすべてが、踊りの輪に入らない人間を憎んでいる。まるで多数決民主主義の愚劣なパロディーだ。(『山手線膝栗毛小田嶋隆
 生命とは動的平衡にある流れである。(『生物と無生物のあいだ福岡伸一
 パンを求めている子どもに石を与えているのがいまの学校教育です。そこでの優等生なんかは、石でも、うまい、うまい、というような顔をして食べてみせるわけですね。(『問いつづけて 教育とは何だろうか林竹二

教育
「リーダーシップ」であるとか「指導力」といったような言葉が使われる場所では、「個人」は「手駒」になり、「人間性」は「忌むべき不確定要素」とみなされ、最終的にはリーダーを含むすべての人間が「役割」になり下がるのだ。(『パソコンゲーマーは眠らない小田嶋隆
 こうして(エリ・)ヴィーゼルは、通常2万5000ドルの講演料をもらい、運転手付きのリムジンで送り迎えを受けながら、アウシュヴィッツの「真実」という「神秘は沈黙の中にある」と語るのである。(『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたちノーマン・G・フィンケルスタイン:立木勝訳)

ユダヤ人ホロコースト
 あなた――あなたの身体、感情、思考――は、過去の結果です。あなたの身体はたんなるコピーなのです。例えば羨望や怒りなどのどんな感情も、過去の結果なのです。羨望について、それを抑圧したり、それを何かあるいは何らかの行為にしようとするなど、あなたが何をしようと、それもまた過去の結果なのです。そのように、あなたはたんに経験の輪のなかを動いているだけなのです(『私は何も信じない クリシュナムルティ対談集J・クリシュナムルティ
 人間においては、「情報への飢え」は、まさに食物へのそれに匹敵するといえそうだ。人間は退屈を嫌い、知的好奇心をみたすべく常に情報を求めている存在なのである。(『知的好奇心波多野誼余夫、稲垣佳世子)
 音ひとつで、相手が狂っているか、悩んでいるか、ズルくなってるか、わかるもんです。それを目で見ようとすると必ず見落とします。それほど耳は大切です。(『人生を掃除する人しない人 達人二人、目からウロコの超実践哲学桜井章一鍵山秀三郎
 飛ぶことは、すべてを支配している永遠の沈黙に抗(あらが)う、唯一の形にほかならなかった。(『始祖鳥記飯嶋和一
「むろん、ぼくたちには行く義務はない。それでも行きたいんだよ」
「まだ、わたしのこともよくご存じないのに?」
「これから知ればいいことさ」
(『夜と霧の盟約デイヴィッド・マレル
「ここへ入ることは、社会的動物としての人間性を完全に否定し去ることなのです。要するに、隠者になることなのですよ。あなたは今後一生、小さな房でたった独りで暮らさねばなりません」(『石の結社デイヴィッド・マレル:山本光伸訳)
「ためらったり、タイミングを間違えたり、攻撃する場所を誤ったりすれば、相手に殺されてしまう。スピードと調和と反射神経――自分の体同様に、これらが武器となる」(『ブラック・プリンスデイヴィッド・マレル
 コレクターとは、常に「党」を開いていくことを運命づけられた永久革命者の別名にほかならない。(『子供より古書が大事と思いたい』鹿島茂)
 私は、所詮見限られた者同士ではないかという意味をこめて、「わん」とひと声吠えた。すると世一はぴたっと歩みをとめ、振り向きざまにこう言った。「されど孤にあらず」(『千日の瑠璃丸山健二
 日本人は“あからさま”なことをきらい、ものごとをあきらかにすることを“あきらめる”という形で、断念するの意へと転化させてしまった。(『日本語 表と裏森本哲郎
 ヨウさんはよそよそしい口調で、こんなことを言った。
「ぼくはあの人に失望しましたよ」
「よく失望する男だなあ」と私は言った。「たまには自分に失望したらどうなんだ」
(『さらば、山のカモメよ丸山健二
「ぼくにとって、彼はもっとも強くてりっぱな相手だったからです。あれほどみごとな相手と戦ったときの高揚感、充実感が忘れられない。ああいう試合をもう一度やれたらなあ、と思いが残ります……」(大橋秀行)『彼らの誇りと勇気について 感情的ボクシング論』佐瀬稔

ボクシング
「なぜこんなことをしているの?」
「嘘をつかれるのが嫌いだからだ」
(『A型の女マイクル・Z・リューイン:石田善彦訳)
兵法は死ぬまでが修行という。技の優劣は修行の励みでこそあれ、人間の価値を決めるものではないぞ。人の師範たる根本は『武士』として生きる覚悟を教えるもので、技は末節にすぎない。貴殿はその本と末とを思い違えておる」(『一人ならじ山本周五郎
 生物を無生物から区別するものは、生物は自分で動くということ、つまりactivityすなわち発動力をもっているということですが、機械文明はそのactivityを失わせるという性格を本質的にもっているのです。(『「自分で考える」ということ澤瀉久敬〈おもだか・ひさゆき〉)
 かれらはまだ、右手に軍刀を、左手に辮髪頭(べんぱつあたま)の生首をつかんでいるわけではなかった。かれらはまだ、後手に縛りあげた女の後頭部を狙って小銃の引き金に指を掛けているわけではなかった。かれらはまだ、生きている者をまとめて穴に突き落とし、上からスコップで土を投げこんでいるわけではなかった。かれらはまだ、空中高く放った嬰児の真下で笑いながら銃剣を構えているわけではなかった。(『野に降る星丸山健二
「で、きみはいつも自分の好きなことをする」
「ほとんどの場合。できないことも時にはある」
(『レイチェル・ウォレスを捜せロバート・B・パーカー:菊池光訳)
 世の中は、下から見るとよくわかる。少なくとも、上からや横からは見えないものが見える。なぜなら、人は上に対してはいい顔を見せようとするが、下には無警戒にその素顔や本音を見せてしまうからである。(『老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた三好春樹

介護
 呆けが深くなるほど、「自発的外出」(※徘徊を指す)のとき、曲がり角を左に折れていくことが多いというのが法則のようなのである。(『老人介護 常識の誤り三好春樹

介護
「そっとしておいてください」
 と遺族は言ったのだ。
 が、「〈そっとしておいてください〉と、遺族の方はおっしゃっています」
 と、記者は言った。
(『安全太郎の夜小田嶋隆
 自分がまさに〈いま〉に生きているような気がするじゃない? だけど、それはウソで、〈いま〉と感じている時間は0.5秒前の世界なんだ。つまり、人間は過去に生きていることになるんだ。人生、後ろ向きなんだね(笑)。(『進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線池谷裕二

脳科学
「あなたは頭のいい人だ。必要なことだけを述べている。嘘はつかないというやり方だ。今の段階はそれでもいいでしょう。しかし、こっちは組織なんだよ。あなたは組織相手に勝てると思っているんじゃないだろうか」(『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて佐藤優

検察
 やすまない。
 あしが動かなければ手であるけ。
 てがうごかなければゆびでゆけ。
 ゆびがうごかなければ歯でゆきをかみながらあるけ。
 歯もだめになったら、目であるけ。
 目でゆけ。
 目でゆくんだ。
(『神々の山嶺(いただき)夢枕獏

登山
 国家は、殺人をたくらんでいるとき、つねに自らを祖国と名乗る。(フリードリヒ・デュレンマット:1921-1990、スイスの作家・批評家)
(『世界毒舌大辞典』ジェローム・デュアメル)
「よそ者がアメリカを侵略し、それに抵抗したら、そのアメリカ人はテロリストってことになるのか? ファルージャの人は皆、テロリストというレッテルを貼られている。全部嘘っぱちだ」(『蹴る群れ木村元彦

サッカー
〈理想〉という言葉は、色あせ、汚れ、たれもかえりみなくなった。〈理想〉なき人間が、したり顔で国つくりをいい、人つくりを説いている。(『一戔五厘の旗花森安治
 それに反して、書き留められた言葉は反論を許さない。書かれた文章の柔軟性に欠ける沈黙は、ソクラテスが教育の核心と考えていた対話のプロセスを死すべき運命へと追いやったのである。(『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?メアリアン・ウルフ:小松淳子訳)

読書野家啓一
 私たちは宇宙に住んでいる。「宇」は空間を意味し、「宙」は時間を意味する。(『暗黒宇宙の謎 宇宙をあやつる暗黒の正体とは』谷口義明)
 ターミネーター技術とは、作物に実った二世代の種には毒ができ、自殺してしまうようにする技術のことです。この技術を種に施して売れば、農家の自家採種は無意味になり、毎年種を買わざるを得なくなります。(『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子)

モンサント支配
 ベトナムにいる兵士たちへ
 壁にかける野蛮人(クーン)の皮膚を持って帰還せよ。
 ――リンドン・B・ジョンソン
   合衆国大統領
(『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン)
「わしはことばを得た。目にもみえることばである。わしのことばは、万世の後にも滅びぬであろう」(中略)「象(かたち)を森羅万象から抽(ひ)き出せ」(中略)こうして武丁は中国ではじめて文字を創造した。(『沈黙の王宮城谷昌光
 ニュートンとかガリレオ
 たいくつなんてしないさ…
 あいつら引力なんていう
 目に見えないものまで見えて……
 この大地が高速でまわっていることにさえ
 気がついてしまう──(『天 天和通りの快男児』)
(『福本伸行 人生を逆転する名言集 2福本伸行著、橋富政彦編)
 あの男は死ぬまで
 純粋な怒りなんて持てない
 ゆえに本当の勝負も生涯できない
 奴は死ぬまで保留する…(『アカギ』)
(『福本伸行 人生を逆転する名言集 覚醒と不屈の言葉たち福本伸行著、橋富政彦編)
 左前頭部頭蓋骨陥没骨折、頭部打撲傷、右上腕部骨折、右肋骨3本骨折、その1本は肺に刺さって右肺が気胸(ききょう)の状態、それに右鎖骨骨折との診断であった。(『襲われて 産廃の闇、自治の光』柳川喜郎)

検察警察
 しかし私には、人こそ変れ同じような連中に思える。指導者という者を一切信用しない。人間が人間に対して殺し合いを命じるような組織の上に立つ人間を断じて認めない。戦争を認める人間を私は許さない。(『シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界立花隆

シベリア抑留強制収容所
 必要なのは、誰も反対しようとしないスローガン、誰もが賛成するスローガンなのだ。それが何を意味しているのか、誰も知らない。(『メディア・コントロール 正義なき民主主義と国際社会ノーム・チョムスキー鈴木主税訳)

メディアプロパガンダ
 アナートマン(無我)は何か新しい実在を表す言葉ではなく、すべての謬見を破壊する雷のごときものであった。シッダールタはあたかも瞑想の戦場で、無我を旗印に、洞察という名刀をふりかざす将軍のようであった。(『小説ブッダ いにしえの道、白い雲ティク・ナット・ハン

仏教ブッダ
 知識は過去なのです。(『生の全体性J・クリシュナムルティデヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ:大野純一、聖真一郎訳)
 言葉はシンボルであり、シンボルは真実ではないので、危険なものである。言葉は意味、概念を運ぶが、しかし言葉はそれが指し示すものではない。(『いかにして神と出会うかJ・クリシュナムルティ:中川正生訳)

宗教
 浪費は現代社会の大きな欠点の一つである。浪費は暴力であり、自然に対する罪である。(『君あり、故に我あり 依存の宣言サティシュ・クマール:尾関修、尾関沢人訳)
 気が狂わんばかりの気持ちが踊りを決定的にする。言葉じゃないんだ。頭がおかしいような。頭に神経を集中させるんじゃなくて、こう沸き上がってくる、こういうものが見たいんです。(『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄舞踏研究所編)
「誰でも自分自身のすばらしい神様を信じているが、ほかの人のことは信じないんだ。その人だってなにか善なるものを信じているのに」(『絶対製造工場』カレル・チャペック)

ディストピア
 世間というものは、人びとに種々の徳義を要求するけれども、みずからはその徳義をなに一つ実行しない。(『「絶対」の探求』バルザック)