ここでのハイゼンベルクの飛躍は、アインシュタインが成し遂げた例の飛躍を思い出させる。あのときアインシュタインは、自明と思われていた時間と場所の観念をもう一度じっくり検討したから、相対論へと導かれたのだ。当然とされていることを疑問視するのが、おそらくは天才のしるしなのだろう。(『そして世界に不確定性がもたらされた ハイゼンベルクの物理学革命デイヴィッド・リンドリー阪本芳久訳)