まず、これを考えてもらいたい。そもそも「オズの魔法使い」というタイトルの「オズ」とは何なのか? 英語では「Oz」になる。この字に見覚えがないだろうか。金の重さを量るオンスという単位を、英語でこのように表記するのである。これで話が見えてきただろう。そう「オズの魔法使い」とは、金融資本家の利益のために策謀する政治家を指している。その原作は、1900年にフランク・バウムというジャーナリストが書いた小説である。バウムはバイメタリズム運動の支持者だった。それで当時の政治情勢を盛り込んだ寓話として「オズの魔法使い」を書いたのである。(『世界デフレは三度来る』竹森俊平)