通常、私たちはある物事に対して、感情を働かせます。「小さい危険」には小さな不安、「大きい危険」にはそれなりの不安を感じるでしょう。それは個人差こそあれ、他の人とそれほど大きな差はないのです。
 ところが元気な人なら「小さい危険」と感じるような刺激でも、うつ状態の人は「たいへん大きな危険」と感じてしまうのです。
 ですから周囲にとっては、たいしたことがない出来事でも、うつ的思考の人にとっては、とても不安で、嘆き悲しむ出来事のように感じられてしまいます。些細なことでも今まで以上に過敏に悩むようになってしまうのです。さらに何の手立ても打てない自分に対し、自信が失われてきます。すると、また問題に対して不安が増大するという悪循環に陥るのです。うつ的思考に陥ると、外的な環境は何も変わっていないのに、悩みが急激に深くなっていきます。
(『相談しがいのある人になる 1時間で相手を勇気づける方法下園壮太

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