即物的に見れば、人間は多数の管(チューブ)から成っている。あなたが、たとえば癌の末期になって集中治療室に入れられると、あなたのすべての管(チューブ)は外部の管につながれる。そのときあなたは人間が管(チューブ)の集合体であることを知るであろう。
 中でも最も基本的な管(チューブ)は消化管である。というより、人間そのものが消化管という管(チューブ)を内腔とした、巨大な管(チューブ)と見ることもできる。
(『免疫の意味論多田富雄