【再活性化された信仰を原理的に権威づけているのは、何ものにも服さぬ自己である】 世俗化とは宗教と信仰の没落を指す言葉ではなく、次第に個人化へと向かう宗教性の形成とその大規模な拡大を指す言葉だ。諸宗教の影響領域が互いに重なり合い、浸透し合うようになる社会の中で、このプロセスは信仰の再活性化をめざそうとする、より包括的な傾向の一部をなしている。(『〈私〉だけの神 平和と暴力のはざまにある宗教ウルリッヒ・ベック:鈴木直訳)