ニュートンによれば、万有引力に支配されている宇宙は無限である。もし有限なら中心が存在し、すべての物体は重力によってそちらに引き寄せられ、巨大なかたまりを形成するだろう。だがそれは観測結果と合わない。ニュートンの宇宙は時計じかけの機械に似ていた。決定論的なのだ。すべては厳密な数学的法則に支配されている。人間界の出来事は神の介入を必要としない。神は宇宙の「ぜんまい」を巻いたあとは、遠くからその成り行きを見守っていさえすればよいのだ。(『宇宙の起源』チン・ズアン・トゥアン:南条郁子訳)