日本語の「いのり」という言葉の語源は、「生宣(いの)り」だと解釈されています。「い」は生命力(霊威ある力)、「のり」は祝詞(のりと)や詔(みことのり)の「のり」と同じで、宣言を意味しています。ですから、「いのり」は「生命の宣言」なのです。語源だけ考えると、日本語の「いのり」と欧米語の「祈り」(prayer,Gebetなど)とでは大きく異なり、欧米語の多くは「願う・頼む」という意味を中心に持っています。人生にはいろいろな悩みや難問が待ち受けていますが、「自分はめげずにがんばって生きるぞ」と宣言する、それが祈り(生宣り)です。そう「生命の宣言」をすると、遺伝子が活性化して、いきいき生きられるようになるはずです。(『人は何のために「祈る」のか 生命の遺伝子はその声を聴いている村上和雄、棚次正和)