「同志諸君、そういうわけで、わしらのこんなくらしのすべての災いが、人間どもの勝手な支配から発するものであるということは、水晶のように曇りなく明らかではあるまいか? 人間を追い出しさえすれば、わしらの苦労が生み出したものはわしら自身のものとなるであろう。ほとんど一夜にして、わしらはゆたかに、自由の身になれるだろう。それでは、わしらはなにをすべきか? そうじゃ、人類を打ち倒すために、日夜、全身全霊(ぜんしんぜんれい)をこめてはたらくのだ! 同志諸君、それがわしからみんなへのメッセージじゃ。〈反乱〉あるのみ! その〈反乱〉がいつ起こるのかわしにはわからぬ。1週間後かもしれないし、100年後かもしれない。じゃが、わしの足下のこのわらを見ているのとおなじくらいたしかに、わしにはわかっておる。遅かれ早かれ正義の裁きはなされるのだと」(『動物農場 おとぎばなしジョージ・オーウェル:川端康雄訳)

ディストピア