医学的にはまったく根拠がないのに、なぜか一般社会では常識となっていることがある。そのひとつが「皮膚呼吸」である。(中略)
 皮膚は呼吸器官ではなく排泄器官である。皮膚を介して空気(酸素)が出入りすることはないし、汗腺や皮脂腺から不要物が排泄されているだけである。だから、皮膚を密閉しても呼吸が苦しくなることもないし、死ぬこともない。
(『さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す』夏井睦)