復讎(ふくしゅう)は道義上赦(ゆる)されても、それをおこなうことによって、自分の何か肝心なものが死ぬ。怨みは、じっとかかえているのがよく、それを晴らさぬがゆえに、人を強く生かしつづける。怨みを晴らせば、生命力が殫尽(たんじん)する。(『奇貨居くべし宮城谷昌光