終戦直後から今日まで、延々と繰り返されている反日史観(日本断罪史観)の根底は、東京裁判史観と1932年(昭和7年)のコミンテルン・テーゼ(「32年テーゼ」)にある。
「32年テーゼ」とは、ソ連共産党が日本共産党に与えた指令書で、日本を強盗国家・封建的帝国主義国家と一方的に弾劾(だんがい)したものである。しかも、証拠も根拠もお構いなし。終始、嘘でかためた言いっ放しにすぎないが、以来、この指令書は反日的日本人の“聖典”とされつづけた。日本人の「自虐の系譜」はかくも根深い。自国の歴史を他国からズタズタに干渉されることを容認するばかりか、狂喜乱舞してこれに飛びつく――。
(『日本国民に告ぐ 誇りなき国家は、滅亡する小室直樹

日本近代史