「黄氏、商人は信義を重んじます。いちどとりきめたことは守らねばなりません。その信義からみれば、貴家の財の半分をさげわたすとは、虚言にひとしく、そういう虚言を弄されるかたが国の存亡にかかわる大任を果たせるはずがありません。この和氏(かし)の璧(へき)があろうがなかろうが、あなたさまは、ご自分の虚言によって身を滅ぼされるでしょう」(『奇貨居くべし宮城谷昌光