チベット問題について学んでいくなかで私は、戦前の日本がチベットのみならずモンゴルやウィグルなどとも浅からぬ関係を構築していたことを知った。それは旧帝国陸軍が極秘で推進していたユーラシア戦略の一環であり、モンゴル、ウィグルの独立を支援して反共親日国家群を樹立し、ソ連の南下を防ぎ、中国共産党との連携を遮断し、東アジアの赤化を阻止するという壮大な構想に基いていた。これを「防共回廊」構想という。(『帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」関岡英之

日本近代史