私はこの基本的なアンバランスに注目し、9の数字ではなく、8の数字を採用して、「秋津式8の法則」を発案してみました。これを使うと経験則的にかなり波動論を展開しやすくなり、実践でも応用できます。(『「雲と線」 私だけの株・FX教科書』秋津学)

投資
植草●小泉さんは国会の中ではずっと大蔵省委員会所属で、れっきとした大蔵族議員です。母体官庁は旧大蔵省、財務省ですし、所管業界は銀行業界です。その銀行業界が、巨大なライバルである郵便貯金を長きにわたって目の敵(かたき)にしてきた。何とか郵貯を潰せないかという要望がずっと続いてきました。(『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う副島隆彦植草一秀
 ウパニシャッドという名称の意義に関しては専門家の間に意見の一致を見ていない。しかし普通に行われている説に従うのが、最も妥当かと思われる。すなわちサンスクリット語で(中略)「近くに坐す」を意味し、師弟間近く対坐して伝授さるべき「秘密の教義」の意に転じ、かかる宇宙の秘義を載せた聖典の名となり、さらにこの種の文献の総称として用いられるに至ったものと解し得る。(『ウパニシャッド』辻直四郎)

ヴェーダ
 こうして、ウェーンライト将軍のラジオ放送で米軍の降伏が決定します。
 日本は、それから1年半後の昭和18年(1943年)秋の「大東亜会議」を前にフィリピンの独立を承認します。ラウレルを大統領とするフィリピン共和国を成立させました。いいですか、フィリピンを独立させたのは日本なんです。ここを間違えてはいけません。歴史はそうなっているのです。
 ところが、日本の敗戦で戦争が終わると、アメリカは、もう1回、フィリピンに独立を与えたというかたちにした。いかにも自分たちが独立させてやったというふうにした。しかし私のいまの説明で分かるように、アメリカはここを植民地にし、日本のあとから独立を追認したのであって、フィリピンをアメリカから解放しその独立を認めたのは日本だった。
(『GHQ焚書図書開封 2 バターン、蘭印・仏印、米本土空襲計画西尾幹二

GHQ日本近代史
 だが、時折、一機だけが幾(いく)ら機関銃を浴びせても落ちない。銃弾の波間を潜(くぐ)り、近づいてはきては逃げ、そしてまた突っこんでくる。日の丸の鉢巻が見える。祖国のために死を覚悟し、己(おのれ)の誇りと勇気に支えられ、横殴りの嵐のような機関銃の弾雨(だんう)を見事な操縦技術で避け、航空母艦に体当たりし撃沈しようとする恐るべき敵に、水兵たちは、深い畏敬と凍りつくような恐怖とが入り交じった「感動」に似た感情を持つ。命を懸けた死闘が続く。ついに、神風は燃料が尽き、突っ込(ママ)んでくる。その時、撃ち落とす。その瞬間、どっと大歓声が湧(ママ)き上がる。その直後、耳が裂けるような轟音(ごうおん)を発していた甲板上がシーンとした静寂に覆われる。
 水兵たちはその素晴らしい敵日本人に、「なぜ落ちたのだ!?」「なぜ死んだのだ!?」「これだけ見事に闘ったのだから、引き分けにして帰ってくれればよかったのに!!」と言う。
 アメリカ水兵たちの感情は、愛国心に燃えた一人の勇敢な戦士が、同じ心をも(ママ)って闘った戦士に感じる真(まこと)の「人間性」であろう。それは、悲惨な戦争の美化ではなく、激戦の後、生き残った者たちが心の奥深く感じる戦争への虚(むな)しさだ。あの静寂は、生きるため、殺さなければならない人間の性(さが)への「鎮魂の黙禱(もくとう)」であったのだ。
(『國破れてマッカーサー西鋭夫

片岡鉄哉日本近代史マッカーサー
「情が薄い。兵は将軍の情によって働くことを、あの卿はわかっていない」(『晏子宮城谷昌光
 ひとつの事象は、かならず陰陽をもっており、陰の面はみかたによって陽の面に変ずるわけで、絶望的な凶(わる)い予言も、吉に爻(か)えることができる。ことばによる呪力を、ことばによって修祓(しゅうふつ)できる、そういう伝統が宋の国にはあり、晏弱(あんじゃく)はそれをおこなったといえる。(『晏子宮城谷昌光
 たとえば、大戦において敗北すれば、3年分の国の費用は、1日にして消えてしまう。もしも頃公(けいこう)にそのことが切実にわかっていれば、晋に無用の刺戟をあたえることを避けたであろう。(『晏子宮城谷昌光
 19世紀の産業革命は、ニュートン力学と熱力学にもとづいて、マクロな物質の製造・加工が、熱機関の発明によってもたらされたものでした。それが鉄鋼や自動車など、「重厚長大」の産業の基礎となり、それまでの人力や馬力に頼る生活を一変させました。現代の生産力の基礎も、それを受け継いでいます。
 20世紀に入り、原子や分子というミクロ世界の法則(量子力学)が明らかにされ、エレクトロニクス技術が大きく発展しました。コンピューターや半導体素子はあらゆる電器製品に使われるようになり、「軽薄短小」の産業が発展してきました。
(『科学の考え方・学び方池内了

科学
 思考の諸革命はつねに、現象的経験から経験を組織するパラダイム〔範列〕へ向かうゆさぶりの一粒化・渦巻運動の成果である。(『方法 1 自然の自然エドガール・モラン:大津真作訳)
 すべてのものは、因であり果であり、支え支えられ、直接的であり間接的であり、いかにへだったのもの、いかに異なったものをも結ぶ自然的で、感知されない【つな】でつながれているものであるから、全体を知ることなくして部分を知ることは不可能であり、部分をくわしく知ることなくして全体を知ることも不可能であると私は思う。 パスカル(プランスヴィク版、II、72)『方法 1 自然の自然エドガール・モラン:大津真作訳
 このように漢字は徐々に生まれてきたのではなく、強大な権力者によっていっぺんに生まれてきたのです。文字が生まれるには「大王」と呼ばれるような絶対的な神聖君主の存在が必要でした。
 そのいっぺんに生まれた四千数百もの文字のうち、現在でも読めるものが約二千五百文字あるそうです。
(『白川静さんに学ぶ漢字は怖い小山鉄郎

白川静
 例えば、「おもふ(おもう)」という日本語には、モノを考えるという意味はないのです。「おも」は顔のこと。それが動詞化した「おもふ」はうれしいことや悲しいことが「ぱっと、顔に出る」という意味です。その「おもふ」が漢字に出会って、深化していったのです。
 漢字の「思」の上の「田」は頭脳の形で、頭がくさくさするの意。「念」の「今」の部分はモノにふたをする形で、じっと気持ちを抑えている意味。「懐」は死者の衣の襟元に涙を落として哀悼すること。「想」の上の部分の「想」は茂った木を見ると心に勢いが出てくる、つまりモノを見て心が動くこと。ですから「想」は、この心の勢いを人に及ぼし、遠くおもいを馳せること、おもいやることです。
(『白川静さんに学ぶ漢字は楽しい白川静監修:小山鉄郎編)
 もう少し具体的に言えば、何かのアディクションに冒された人が、その対象となる化学物質を使用したり、対象となる行動をするのは、それによって自分が望む“気分の変化”を自分のなかに作り出したいという欲求のためです。そうすることで、彼らは本来自分がコントロールできない自然のサイクルをコントロールしているように感じます。(『やめられない心 毒になる「依存」』クレイグ・ナッケン:玉置悟訳)

依存症
 この(※依存)傾向が人間にそなわっているわけは、そもそも人間の脳が、即座に手に入る短期的な報酬を求めるように進化してきたからだ。私たちの先祖は、高エネルギーの果実をその場でむさぼり食ったり、性的刺激にすぐ反応したりしなければならなかった。そうしていなければ、あなたも私も、今、この世にはいないだろう。
 問題は、もはや身体的にも必要としておらず、種としての存続にも何の意味もないような報酬に満ちた環境を、私たちが築いてしまったことにある。たとえ必要のないものであっても、そういったものは報酬であるため――つまり、脳の中で期待感と快楽といった特定の感情を引きおくすため――私たちはつい手を伸ばさずにはいられない。
 言いかえれば、私たちは「【すぐに気分をよくしてくれるもの=フィックス】」に手を出してしまうのだ。
(『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実デイミアン・トンプソン:中里京子訳)

依存症
 20世紀初頭、「写真歴史家」を自称するエドワード・カーティスの写したインディアンの写真が、アメリカじゅうのあらゆる寄宿舎や家庭の壁に飾られていたと言っても言いすぎではなかった。彼の一貫する被写体は、アメリカン・インディアンであり、テーマは、「消えゆく民族」、そして、その典型的な構図は、気品あるインディアンがメラコリックなポーズをとりながら、セピア色した永遠に見入る姿であった。(『アメリカン・インディアンの歌』ジョージ・W・クローニン編:渡辺信二訳)
 私たちはだれでも、子供の時に親から心に「感情の種」を植えられる。そしてその「種」は、本人が成長するとともに芽を出し成長していく。それは、ある親子にとっては「愛情」「他人を尊重する個々と」「独立心」などに成長する「種」であるが、そうでない多くの家庭においては、「恐れる心」「不安感」「過剰で不必要な義務感」「罪悪感」「いくらやっても不十分な気分」などに成長する種である。(『毒になる親 一生苦しむ子供』スーザン・フォワード:玉置悟訳)

虐待
 官僚機構の淵源(えんげん)は明治の太政官(だじょうかん)制、さらに遡(さかのぼ)れば古代日本の律令(りつりょう)政治にある。明治においては、議会政治が始まる20年も前に官僚主導の意思決定体制が構築され、すでにこの時代に官僚による専制=有司専制(ゆうしせんせい)が問題視されていたことを知らなければならない。(『日本の独立 主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体の死闘植草一秀
 駒の動かし方や二歩の話をしたら、次はいよいよ「詰み」の話。そんなときに、1手詰が役に立ちます。中でも人気なのは、持ち駒のある問題で、どこに打てばいいのかな、と楽しそうに考えてくれます。そんな姿を見ていて、今一番必要なのは1手詰ではないか、と思うようになりました。(『1手詰ハンドブック』浦野真彦)

将棋
 これも重要なことだが、弁護士をすぐに信用しないことだ。いまだに日本人はこの職業名に弱いようだが、クズみたいな弁護士が世の中には山ほどいることを知っておいてほしい。
 なにしろ、こやつらの悪さは言語に絶する。私も悪いやつはたくさん見てきたが、この地球上で一番悪いのは、ヤクザでもない、詐欺師でもない、間違いなく(悪徳な)弁護士である。これは仕事でつきあいのある警察幹部や探偵、他の弁護士などとも一致した意見だ。これほど人の心をもてあそんで平気でいられる生き物を私は他に知らない。
 しかも、その目的がただの金だというのだから、その愚劣さは筆舌につくしがたい。
(『証拠調査士は見た! すぐ隣にいる悪辣非道な面々』平塚俊樹)
 あたかも水中に生きる魚が網目を突き破って河水の中へ帰っていくように、そのようにさまざまな世間的存在につなぎとめる【きずな】を引き裂いて、そして野火が一たび焼いてしまったところに滞留することがないように、そのようにひとり離れて修行し歩くがよい、あたかも一角の犀そっくりになって。(『スッタニパータ[釈尊のことば]全現代語訳』荒牧典俊、本庄良文、榎本文雄訳)

スッタニパータ仏教
「もし、所得が今の2倍だったら」と考えたことはないだろうか。実は「改革」さえ行わなければ、私たちの所得は軽く2倍を超えていたはずなのである。
 平均的日本人の所得は、この20年ほとんど横ばいだ。それでも、多くの人は、それを不満に思っていない。こんなものだと思っている。
 でも、それは、重大なことを知らされていないからだ。世界の平均所得が、20年間で2倍以上になったという事実である。
(『平成経済20年史紺谷典子

経済響堂雪乃
 一つ、二つ冷や水を注しておくと、坂本龍馬という男は長崎・グラバー商会の“営業マン”的な存在であったようだ。薩摩藩に武器弾薬を買わせ、それを長州に転売することができれば、彼にとってもメリットがある。グラバー商会とは、清国でアヘン戦争を推進して中国侵略を展開した中心勢力ジャーディン・マセソン社の長崎(日本)代理店である。この存在が「薩長同盟」の背景に厳然とある。朝敵となった長州は武器が欲しい、薩摩は米が欲しい……この相互メリットをグラバー商会が繋いだ。(『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト原田伊織

日本近代史明治維新吉田松陰
 自分の考えをコントロールすることは誰にもできません――さもできるかのように話をする人もいますが。私は、自分の考えを手放すのではなく、理解します。そうすると、考えの方が、私を手放してくれる感じがあります。
 考えは、そよ風や木々の葉、雨のしずくのようなもの。ただ現れるだけであり、問いかけを通じて、親しんでいくのです。雨のしずくに抵抗することはないでしょう? 雨は自分にとって意味をもつものではありません。考えもそうです。痛みを伴う考えをいったん理解できれば、それが再び現れたときには興味が湧きます。
(『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル:ティム・マクリーン、高岡よし子監訳、神田房枝訳)
 海外の不動産のローンはノンリコース(非遡及型融資)なのですよ、という話をすると、つい最近まで非常に驚かれることが多かった。ノンリコースでは、住宅ローンの支払いが不能になっても住宅を手放せば借金はチャラになるのだ。ローンが返せませんとなれば、住宅自体はローンを融資した金融機関が引き受ける。競売にかけて売り値が買い値を下回ったとしても、それはあくまでも金融機関の責任となり、ローンの借り手には返済の責任は生じないのだ。(『新・マネー敗戦 ドル暴落後の日本岩本沙弓

為替
 ハイパーインフレ論が信用されやすいのは、あまりに金額の桁が大きく人々の想像を超え、得体の知れない恐怖心をかきたてるからだろう。私は財務省にいたので大きな桁数の計算になれているが、一般の人は億円以上のおカネになると想像できなくなる。(『高橋教授の経済超入門高橋洋一
「人間には2種類ある。一つは人生につつきまわされても、ただそのままにしておく人たち。もう一つは、怒ってつつき返す人だ」(『金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター:白根美保子訳)

マネー
 日本国政府が為替市場でドル買・円売り介入をするためには、ドルを買うための円資金が必要となる。その資金はどこから出てくるかと言えば、日本国政府が金融市場で政府短期証券を発行し、金融機関や機関投資家がそれを購入することで円資金を調達するのである。我々が預けている預金や支払っている保険料がめぐりめぐって政府短期債の購入に充(あ)てられているのだ。(『為替占領 もうひとつの8.15 変動相場制に仕掛らけれたシステム岩本沙弓

為替
GHQ焚書(ふんしょ)図書」というのは初めて聞く言葉だという人が多いかもしれません。GHQ(連合国軍総司令部)は、いうまでもなく第二次世界大戦の後、日本へ進駐してきた占領軍のことです。そのGHQが焚書をしていたのです。「焚書」というのは、流通している書物を止めてしまうこと、廃棄してしまうことです。紀元前3世紀に「焚書坑儒」(ふんしょこうじゅ)といって、秦の始皇帝が儒教の書物を焼き捨て儒者たちを穴に埋めて殺してしまった有名な事件がありましたが、その事件から焚書という言葉が生まれました。要するに書物を廃棄して国民に読ませないようにすることです。(『GHQ焚書図書開封 1 米占領軍に消された戦前の日本西尾幹二

日本近代史大東亜戦争
ゲシュタルト問題」がヨーロッパの思想界の舞台にのぼるのは、1890年にクリスチャン・フォン・エーレンフェルスというドイツの哲学者が「ゲシュタルト質について」という論文を発表していからである。彼はゲシュタルトを「感覚要素の総和以上のもの、総和とは異なったもの」と定義した。(『アフォーダンス 新しい認知の理論佐々木正人
 私は気化させたガソリンを連続的に爆発させて、燃えかすと爆音を世間に叩きつける、
 私は前後ふたつの車輪を意のままに回転させて、世に満つくだらない不文律を蹴散らす、
 私は無意味な高速がもたらす【がき】染みた示威行為によって、進退極(ママ)まった中年男を悲しみのどん底から救い、陶然と酔わせる。

 私にしがみついて疾駆する者は、自ずと他律的に振舞うことをやめるのだ、
 私と共にある者は、何事にも怯(ひる)まず、飯代に事欠く立場さえすっかり忘れてしまう、
 私といっしょに雲を霞(かすみ)と遁走する者は、私がその潜在意識とやらを充分に汲み取って、ひと思いに死なせてやろう。
 むろん独りで死なせはしない。

(『見よ 月が後を追う丸山健二
 独身のころ、多くの男性の中から一生の伴侶(はんりょ)となる一人をどうして選ぶことができるのだろう、そのような重大な選択の決め手となるのは何だろう、と常々思っていた。おそらく理想の条件をできるだけ多くかなえた人が合格するにちがいない。背が高くてハンサムで優しくて、こよなく私を愛してくれて、それでいて知的で高収入で……というように。しかし実際はそんな数々の条件はどうでもよくなっていた。彼にあった魅力はたった一つ、抜群にエクサイティング(面白い)ということだけだった。(『我が家の流儀 藤原家の闘う子育て藤原美子

藤原正彦育児
 メディアは「植草事件」の“成立”に大きく加担している。被告人が従来から病的常習性を持つ人物であるかのように、先行的なイメージを持たせる報道内容になっていた。根拠なき“病的性癖説”が瞬(またた)く間にメディアの間で躍り狂い、まるで事件をバックアップするかのように、そのイメージは世間に広まった。(『国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 「植草事件」裁判記録副島隆彦植草一秀、高橋博彦)

事件
「偽装」は偽りが晒(さら)された時に初めて「偽装」と認知される。偽りが露見するまでは「偽装」が「本物」として扱われる。「偽装」の怖さはこの点にある。「偽装」は何かのきっかけやアクシデントで偽りが表面化したもので、「氷山の一角」にすぎない。地震に脆(もろ)い構造のマンションに住んでいても、真実を知るまで不安を持つことはない。本当に恐ろしいのは「見逃されている偽装」だ。(『知られざる真実 勾留地にて植草一秀
 過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる。日本は先の戦争に敗れてから、自国の歴史を盗まれた国となってしまった。
 歴史は記憶だ。記憶を喪失した人は、正常な生活を営むことができない。国家についても、同じことである。
(『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか加瀬英明

日本近代史大東亜戦争
哲人●【対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません】。(中略)
 競争や勝ち負けを意識すると、必然的に生まれてくるのが劣等感です。常に自分と他者とを引き比べ、あの人には勝った、この人には負けた、と考えているのですから、劣等コンプレックスや優越コンプレックスはその延長線上にあります。さて、このときあなたにとっての他者とは、どんな存在になると思いますか?

青年●さあ、ライバルですか?

哲人●いえ、単なるライバルではありません。いつの間にか、【他者全般のことを、ひいては世界のことを「敵」だと見なすようになる】のです。

(『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え岸見一郎、古賀史健)

心理学
 司馬(遼太郎)さんの罪は、明治至上主義を流布したことです。司馬さんの歴史観は、明治は明るく正しく、大東亜戦争へと進んだその後の軍部政府は日本史上連続性をもたない例外的な暗黒の時代であったとします。歴史が連続している以上、明治と昭和が断絶しているわけがない。皇国史観も、軍国主義も明治にその萌芽があり、昭和に大きく枝葉を広げたのは間違いないのです。(『日本近代史 「明治維新」という嘘原田伊織監修)

日本近代史
 筆者の経験上、成功するためには最悪のドローダウンの3倍の数字が目安となる。言い換えれば、3回連続して最悪のドローダウンに見舞われないかぎり、口座は破綻しないということだ。(『トレーディングエッジ入門 利益を増やしてドローダウンを減らす方法』ボー・ヨーダー:長尾慎太郎監修、井田京子訳)
 チベット問題について学んでいくなかで私は、戦前の日本がチベットのみならずモンゴルやウィグルなどとも浅からぬ関係を構築していたことを知った。それは旧帝国陸軍が極秘で推進していたユーラシア戦略の一環であり、モンゴル、ウィグルの独立を支援して反共親日国家群を樹立し、ソ連の南下を防ぎ、中国共産党との連携を遮断し、東アジアの赤化を阻止するという壮大な構想に基いていた。これを「防共回廊」構想という。(『帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」関岡英之

日本近代史
 わたしは、書物とりわけ古文書に取り憑かれたとしかいいようのない、奇妙な暮らしをしている。古文書を解読して書いた最初の著作『武士の家計簿』もそのようななかでできた。毎日のように、薄暗い書庫のなかに入り浸り、汚い床に座り込んで、ほこりのなかで古書をむさぼり読む。食べるものも食べず寝るのも忘れて、この陶酔の時間に、はまり込んでいってしまったがために、あるときは書庫のなかで倒れ、とうとう図書館から救急車で病院に搬送されてしまったこともある。しかし、これが好きなのだから仕方がない。(『日本人の叡智』磯田道史)

日本近代史
 この出会い(※黒船来航、ペリーの副官コンティ堀達之助中島三郎助の会談)は、きわめて象徴的である。最初の対話で発砲交戦を避けることができた。それには日米双方の事情があった。見えざる糸が「戦争」を回避させ、「交渉」へと導いた。やがて接触を重ねるうちに、双方ともに「交渉」の重要性を認識し、それに伴う行動を優先させていく。(『幕末外交と開国』加藤祐三)

日本近代史
 文久期(1861~1864)と言えば、例外なく日本人すべてが尊王であり、攘夷であった。開国派(通商条約容認)であり、公武合体派の代表とも言われたこの時期の薩摩藩であるが、外国人を殺傷した生麦事件を起こしている。この事実は、日本人=攘夷の最たる例であろう。しかもこの段階で、倒幕を唱えていたのはごく一部の尊王志士激派のみに過ぎないのだ。こうして見ると、尊王攘夷 vs. 公武合体という構図は、じつはありえないことをおわかりいただけよう。(『攘夷の幕末史』町田明広)

日本近代史
 極論が許されるなら、欧米は釈明の文化、日本は謝罪の文化といえましょう。日本人はとにかく、謝るのが好き。また同時に、他人に謝らせるのも大好きです。MなのかSなのかわかりません。(『誰も調べなかった日本文化史 土下座・先生・牛・全裸パオロ・マッツァリーノ
 私たち人間を含め、すべての生命の活動は、無数の化学反応によって成り立っています。身体の動きをつくり出す筋肉の収縮も、視覚や聴覚といった感覚も、悩んだり笑ったりするときの脳の動きも、突き詰めれば、すべて数多くの化学反応によってもたらされるものです。
 ところが、こうした化学反応も、物理現象と同じように、実はミクロの世界における物質の揺らぎによって成り立っていることが明らかになっています。
(『世界は「ゆらぎ」でできている 宇宙、素粒子、人体の本質吉田たかよし
 量子の奇妙な世界で最も不可解なのは、「量子の絡み合い(エンタングルメント)」と呼ばれる現象である。二つの粒子がお互いに何万キロ、何億キロ離れていても、それらは謎めいた形でつながりあっている。片方の粒子に何かが起こると、【瞬間的に】もう一方の粒子も変化するのだ。(『量子のからみあう宇宙アミール・D・アクゼル水谷淳訳)
 これほどまでに馬鹿馬鹿しい等式が出てくるとは思わなかった。「平和主義」=「憲法9条」=「ガンジー主義」などという説が世に流布されている。しかも、こともあろうにあのパール判事が憲法9条を「ガンジー主義を明文化した理想の宣言文」と思っていたなどという、ありえない話まで捏造して。
 北海道大学公共政策大学院准教授・中島岳志の著書『パール判事 東京裁判批判と絶対平和主義』がその妄言の書だ。
(『ゴーマニズム宣言SPECIAL パール真論小林よしのり

ガンディー
 児童相談所の全国統計を取り始めたのは1990年である。この時相談件数は全国で約1100件であった。ちなみに筆者は、日本に子ども虐待が1100件もあるということを、驚きをもって受け止めた記憶がある。
 ところが件数は、94年には約2000件、96年には4000件、98年には7000件と伸び、99年には1万件を突破した。2001年には2万3000件、そして2005年は約3万4000件である。実にこの15年間に約30倍の増加となったのである。
(『子ども虐待という第四の発達障害』杉山登志郎)

虐待
 神が天を差配しているという観念が強くなると、天はどこまで続いており、そこにはいかなる天体や運動があるかを明らかにすることが神の存在証明であり、また神への接近方法となる。(『宇宙論と神池内了

科学と宗教
 クラゲはどうやって1マイクロ秒(100万分の1秒)以下という速さで人を刺せるのか? 刺されたほうが痛みを感じるまでには、その百(ママ)万倍の時間がかかるというのに。(『時間の図鑑』アダム・ハート=デイヴィス:日暮雅通訳)

時間論
 生物進化の大原則に「子どもをたくさん残せる【ある】性質をもった個体は、その性質のおかげで子孫の数を増やし、最後には集団のなかには、その性質をもつものだけしかいなくなっていく」という法則性があります。(『働かないアリに意義がある』長谷川英祐)
「僕には戦争がわかりません」と口にする、それじたいに、じつは救いようのない傲慢さがひそんではいないか――?(『最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙重松清、渡辺考)
 連合軍のほうでは、日本のこの態度を拒否ととったのであろう。8月6日に、広島にひどい爆弾を落とした。議会でも、その性質がいっこうわからなかった。その時の日本での物理学の第一人者、仁科芳雄博士に頼んで、広島へ飛行機でとんでもらって、この爆弾の性質を調べてもらうこととなった。
 仁科博士は、【これは原子爆弾というもの】であると報告された。
(『秘録 東京裁判』清瀬一郎)

東京裁判日本近代史原爆
 アメリカが日本に対して一番恐れたのは、日本の精神力でした。武器が何一つなくなったとしても、竹槍をもってでも敵と戦うというその精神力をとても恐れていたのだと思います。その日本の精神力を破壊しようというが(ママ)アメリカの政策であり、マッカーサー元帥はそれを遂行し、成功したのだと思います。(ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ)『インドネシアの人々が証言する日本軍政の真実 大東亜戦争は侵略戦争ではなかった。』桜の花出版編集部

日本近代史
 アメリカが自国の裏庭である中南米でキューバとの和解を進めている裏にも、覇権をうかがう中国の存在があります。援助外交や運河建設で中南米の反米国に接近している中国をにらんで、足元を固めようとしているのです。
 イランとの和解を進めていたのも、中東情勢をできるだけ安定化させ、アジア戦略に集中したいという背景があるわけです。
 こうしたアメリカの外交方針はオバマ政権だけのものでなく、次の政権が民主党のクリントンになろうと、共和党のブッシュになろうと変わることはないでしょう。
(『石油とマネーの新・世界覇権図 アメリカの中東戦略で世界は激変する中原圭介

石油
 いまのアメリカの人口推移を見ると、おそらく今後は共和党の大統領が誕生するのは難しくなると思われます。アメリカではヒスパニックの人口が右肩上がりに増えており、この人たちの大多数が民主党を支持しているからです。おそらく次の大統領選挙が、共和党が勝つ最後のチャンスで、それを逃したら、おそらくもう二度と共和党が大統領選で勝てる機会はないでしょう。(『2025年の世界予測 歴史から読み解く日本人の未来中原圭介
 ここで少し考えてみたいのは、こうした人間の歴史における「拡大・成長」と「定常化」のサイクルは、そもそもいかなる背景ないし原因から生じるのか、という点だ。
 結論から言えば、それは人間の「エネルギー」の利用形態、あるいは若干強い表現を使うならば「人間による“自然の搾取”の度合い」から来ると考えられるだろう。
(『ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来広井良典

資本主義ポスト・ヒューマン
 この時に初めて「怪人801面相」という名義を使いました。自分は以前から死刑事件を始めとする重大犯罪のマニアでした。その関連で警察庁の広域重要指定事件についても知っていました。指定事件は現在24件存在します。その中の未解決事件は114号のグリコ森永事件と116号の赤報隊事件です。(『生ける屍の結末 「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相』渡邊博文)

事件
 家の陰で、小舟の浮かぶ日の当たる川岸で、沙羅(さら)の森の陰で、無花果(いちくじ)の木の陰で、美しいバラモンの子、若い鷹、シッダールタは、彼の友、バラモンの子、ゴーヴィンダとともに生まれ育った。(『シッダールタヘルマン・ヘッセ:岡田朝雄訳)

仏教
 ホーキングの物理学の中心には、常に時間と空間の概念が存在する。アインシュタイン以降の物理学では、3つの拡がりをもつ空間と(過去~未来という)一直線の拡がりしかもたない時間をあわせて「時空」と呼ぶことが多い。
 これは、単に時間と空間を一緒にした略語ではなく、その背後には、
「そもそも時間と空間という概念は独立したものではなく、物理的に混じることがある」
 という相対性理論独特の考え方がある。
(『ホーキング 虚時間の宇宙 宇宙の特異点をめぐって竹内薫
小林●あそこに中国4000年の歴史なんてものがあると考えてしまうことが、すでに中国共産党のプロパガンダにのせられてるんですよ。

田原●それは違う。全然違う。

小林●13~14世紀の元のときは、チンギス・ハーンのモンゴル民族ですよ。全然違う民族がダーっとやってきて、前のヤツをバーっと虐殺して占領するんですよ。その次は、揚子江のあたりにいた漢民族が、元を北に追って明を建てた。17世紀には、満州のあたりにいた満州族がダーっときて、占領してしまう。そんとき弁髪を強制され奴隷にされたのは、漢民族ですよ。それがいままで中国大陸で起こったことじゃないの。

(『戦争論争戦小林よしのり、田原総一朗)

戦争日本近代史
 真の友人は第二の自己である キケロ『友情論』(『ギリシア人ローマ人のことば 愛・希望・運命』中務哲郎、大西英文)
 東京大学が実施する「学生生活実態調査(2012年)」によると、東大生の親の7割は年収が750万円以上だった。950万円以上でも6割近くに上る。教育の機会は決して、能力に応じて平等に与えられているわけではない。(『ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」』中川雅之)
 日本時代は、太平洋戦争の敗戦で台湾を放棄するまで50年つづいた。私は日本人だから日本びいきなるが、余分な富力をもたない当時の日本が――植民地を是認するわけでないにせよ――力のかぎりのことをやったのは認めていい。国内と同様、帝国大学を設け、教育機関を設け、水利工事をおこし、鉄道と郵便の制度を設けた。(『街道をゆく 40 台湾紀行司馬遼太郎
 変化が不可欠な場合もあるが、それを実行する際は熟慮と正当な理由がなくてはならない。負けているときは必要のないものまで変えたくなるし、勝っていると大惨事の瀬戸際にあっても万事順調と思いこみやすい。ずさんな戦略がいけないのだと性急に考え、ころころ戦略を変えるのは、戦略がないも同然だ。環境が激変した場合にかぎり、根本的な変化を検討すべきである。(『決定力を鍛える チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣』ガルリ・カスパロフ:近藤隆文訳)

チェス
井沢●よく「クオリティペーパー」と言いますけど、日本にはクオリティペーパーはありません。少部数で正確な情報を出していて、記者の水準も均質に高いという新聞はなくて、みんな大衆紙なんですよ。だって何百万部も出ているんですから。(中略)
小林●駅やコンビニでしか新聞は買えないことになったら、どれを選ぶかっていうようなことが試されてくるからな。
(『朝日新聞の正義 対論 戦後日本を惑わしたメディアの責任小林よしのり、井沢元彦)
 第二次大戦後まもなくのころ、いまだに「コトリ」が出没するといわれた。
 大正生まれの母はいわなかったが、明治10年代、19世紀末に生まれた祖母が、幼時のわたしにおしえてくれた。
「おそうまで遊んどって、コトリにつれて行かれても知らんで」
 と、おどすのだ。
 コトリはたそがれどき、軒から軒にこうもりが飛ぶころ、白い服をまとってあらわれる。背はうんとたかい。ふあふあと地上から浮いているのか、足音はしない。手にはビードロのコップをもっていて、そこには赤い液が入っている。祖母からきいた話に、絵本にえがかれたすがたが混淆(こんこう)しているかもしれないが、わたしはコトリをこのように思いうかべた。
(塩見鮮一郎)『サンカ 幻の漂泊民を探して

サンカ