多数決をとるべき第一の理由は、多数決が可能なかぎり多くの人に自己決定を保障するというものである。いかに行動するべきかに関する出発点は、自分のことは自分で決めるという原則のはずである。したがって、集団としての統一した決定が必要となるときも、その判断がなるべく多くの人の判断と一致するようにするべきだ(なぜなら、そのとき自己決定が可能な最大限の人に保障されることになるから)という議論である。(『憲法と平和を問いなおす』長谷部恭男)

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