帝国主義時代の日本の社会は、危機が深まり動揺がはげしくなるたびごとに、熱狂的な奇蹟中心の新しい宗教をうみだしてきた。第一次大戦と戦後の動揺期に一世をおおった大本(おおもと)は、新興宗教の草わけといわれている。昭和初頭の大恐慌から暗い谷間に落ちこんでいく時期にかけては、「ひとのみち」、生長の家、霊友会などが現われた。太平洋戦争直後の虚脱と混乱とインフレ地獄のときに、「おどる宗教」やメシヤ教(最初は観音教、いまの世界救世教)や立正佼成会などがのびた。そしていま、アメリカに加えて日本の独占資本のむきだしの支配が君臨し、頽廃文化がみちあふれ、原水爆戦争が生存をおびやかしているときに、創価学会が爆発的なのび方をしめしている。(『創価学会 その思想と行動』佐木秋夫、小口偉一