最高権力を持っている者が我々よりも賢明で、次に打つべき一手をわかっているはずだなどと思ってはいけない。危機管理室で鳩首(きゅうしゅ)をそろえている面々は、進行しつつある最悪の事態(カタストロフィ)を作り出している当事者なのだ。このなかには世の中のことをまったくわかっていない者、つまり世の中の争い事を白組と赤組の単純な喧嘩ととらえることしかできない輩(やから)がいる。もちろんメンバーのなかには問題がより複雑であることを理解している者もいる。そういう人物でさえ、政治的には、紛争の原因はどこかにいる悪者が種をまいていて、その悪者さえ退治すればよいなどと説明せざるを得ないのだ。(『コールダー・ウォー ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争』マリン・カツサ:渡辺惣樹訳)

プーチン北野幸伯