戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないのであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水が来るか今のところ容易に予知することができない。最後通牒も何もなしに突然襲来するのである。それだから国家を脅かす敵としてはこれほど恐ろしい敵はいないはずである。(『天災と国防寺田寅彦

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