その評判は、男性から女性へというデイヴィッドの内科的および外科的性転換が、発育上正常な子供に対してはじめて行われたことだけではなく、その症例に特別な価値を与える、確率的にきわめて珍しい状況にも由来していた。デイヴィッドは一卵性双生児の片方として生まれていた。唯一の兄弟である弟は、その実験における理想的な対照――つまりはペニスも睾丸もあり、遺伝子も同じ男性として自然に育てられた。(『ブレンダと呼ばれた少年 ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか』ジョン・コラピント:村井智之訳)