もう一度言うが、私が残念に思うのは、(徳富)蘇峰が自堕落な文章を綴る僅か半年前、戦争がまだつづいているさなか、清沢洌が堂々としかも痛烈に蘇峰を恥知らずと批判していたことを、60年のちの知識人がなにも知らないという事実である。(『鳥居民評論集 昭和史を読み解く』鳥居民)