ともあれ、ここではっきりさせておかなければならないのは、一部の研究者、そして『正論』『諸君!』(2009年休刊)『WiLL』(2005年創刊)などの月刊誌、さらには諸週刊誌とくに『週刊新潮』と『週刊文春』が吉田証言の究明に取り組まなかったら、この人間による歴史の捏造は歴史の正史としてなお長く留まり続けただろう。その点で吉田清治が弄(ろう)した虚偽を覆(くつがえ)すのに最も貢献したのは、研究者で言えば、秦郁彦と韓国・朝鮮研究者で東京基督(キリスト)教大学の西岡力(つとむ)の二人である。(『崩壊 朝日新聞』長谷川熙)

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