ランチェスター戦略は、イギリスの航空工学のエンジニアであったF・W・ランチェスターによって発見されたランチェスター法則をその出発点としている。
 ランチェスターは1868年10月23日ロンドンで生まれ、王立工科大学(ロイヤルカレッジ・オブ・サイエンス)を卒業したのち、28歳でイギリス最初のガソリン自動車を設計・製造、31歳で技術コンサルタント会社、ランチェスター社を設立、その後、航空審議会委員、ダイムラー自動車の技術顧問などを歴任する。
 また彼はイギリス学士院会員、法学博士、王立航空協会の名誉会員でもあった。
(『まんが新ランチェスター戦略 1 新ランチェスター戦略とは』矢野新一、佐藤けんいち〈まんが〉)
「一般の人々に対して、減塩を強いるのは、何ら科学的根拠があるものではなく、減塩の効果はなかったと言ってよい。塩は決して悪者ではない。食品の製造においても、食塩を減らすことは、ほとんど無意味だ……」ジョン・ラルフ博士(『「塩」をしっかり摂れば、病気は治る 病気の因を断つクスリ不要の治療法石原結實

自然塩
 知とは、人間の共同体が賢明な選択をし、未来は決して他人事ではないと実感し、それを軸に軌道修正していくことのできる力を意味する。知とは連帯のことだ。人と人、あるいは人と総体との結びつきのことだ。知は本質として相関的な概念であり、それを特定の人物と同一視しすぎれば沈下するものなのだ。(『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何かアラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン)
 音によるコミュニケーションにおいても、やはり豚には驚かされる。彼らはとても耳がよく、私たち人間とよく似た可聴領域を持つ。もっとも、彼らの場合はさらにおよそ4万ヘルツくらいまでの超音波帯まで聴こえる。2万ヘルツを超えると、人間には聴こえないのだ。耳のサイズと感度となると、これはもう比較にならない。(『思考する豚ライアル・ワトソン:福岡伸一訳)
 象が使う、なかでも周波数が最も低い音(毎秒5~25サイクル)は、驚くべき性質を持っている。その長く緩やかな音波は、どれほど密集した木々にも邪魔されることがない。深い森の中でも変化したり力を失ったりせず、何マイルも進みつづけることができるのだ。(『エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのかライアル・ワトソン福岡伸一、高橋紀子訳)
 その結果、私たちが解明したのが、玄米のうちのいわゆる米ぬかの部分に含まれるRBFという物質の作用機序です。このRBFは、がん細胞が生きていくために必要なエネルギーを熱に変えてしまい、無駄に使わせることで、エネルギーを補給できなくする機能を持っています。つまり、がん細胞を“兵糧攻め”にするわけです。これによってがん細胞はDNAが断ち切られ、分裂できなくなります。こうしてがん細胞の自己死(アポトーシス)を導くプログラムが働くのです。(『がん患者は玄米を食べなさい 科学が証明した「アポトーシス&免疫活性」のすごい力』伊藤悦男)

玄米
 一気に濁流に体が沈んだ。「グチュグチュ」と真っ黒い水の塊に翻弄された。まるで洗濯機の中に放り込まれて、かき回されているようだった。ポッと頭が水面から出た。太い木の柱にしがみついたが、津波に流されている家に突っ込んでいくような勢いだった。このままだと衝突し、危ないと判断し手を離した。またグルグルかき回された。再び水面に出た時、ごみの山が押し寄せてきて、それにつかまった。(『津波からの生還 東日本大震災・石巻地方100人の証言』三陸河北新報社「石巻かほく」編集局編)

災害
 プラトンはまた、【イデア】は、我々の肉体が存在しているこの世界とは別のイデアだけの世界に存在し、それらは永遠であるとも言った。このような【プラトンの考え方】は後に新約聖書に組み込まれ、古典的ローマ・カトリックの【魂】についての教えの基となっている。(『意識の探求 神経科学からのアプローチクリストフ・コッホ:土谷尚嗣、金井良太訳)

キリスト教
 しかしアメリカ合衆国の主たる挫折は、現段階においてはイデオロギー的かつ外交的なものである。というのもアメリカは、いよいよ世界支配を完成しつつあるどころか、世界の統制権を失いつつあるからである。自由世界のリーダーとして立ち現れるどころか、アメリカ合衆国は国連の意向に反してイラク攻撃を開始した。これは国際法の蹂躙であり、正統(ママ)性の失墜はだれの目にも明らかである。(『帝国以後 アメリカ・システムの崩壊』エマニュエル・トッド:石崎晴己訳)
 お釈迦さまの教えを忠実に守り実践する人々は、お釈迦さまの教えより優れた道はないと、自らの体験から確信しています。テーラワーダの長老方はただ一心に、お釈迦さまの教え、お釈迦さまの道を守ることを何より大切にし、ブッダの教えに自分の解釈を加えることは、いっさい拒否してきました。お釈迦さまが亡くなられた当時でも、そういう長老方の態度を「保守的だ」と批判する人々がいました。それらの人々は後にテーラワーダ仏教から離れ、大衆部と呼ばれる宗派をつくりました。その大衆部も、いくつもの分派ができ、お釈迦さまの入滅後200年くらい経つと18もの宗派に分裂しました。これらはまとめて部派仏教と呼ばれます。
 お釈迦さまの入滅後500年ほど経つと、部派仏教を批判する新しい動きが現れました。そして「我らこそ優れている」という意味を込めて、自分たちを大乗仏教と称し、部派仏教のことを小乗仏教と呼びました。日本でテーラワーダ仏教を小乗仏教と呼ぶ人々がいますが、インドの大乗仏教が小乗仏教と呼んでいたのはテーラワーダではありません。実際に小乗と呼ばれていた部派仏教は、現在ではひとつも残っていません。
(『慈経 ブッダの「慈しみ」は愛を越えるアルボムッレ・スマナサーラ
 ブッダを、一般的意味での「宗教の開祖」と呼ぶことができるとすれば、彼は「自分は単なる人間以上の者である」と主張しなかった唯一の開祖である。(『ブッダが説いたことワールポラ・ラーフラ今枝由郎訳)

仏教
 ルネサンス期のイタリア、スペイン帝国、ルイ14世のフランスからネーデルランド連邦共和国、大英帝国、独立初期のアメリカにいたるまで、一国の浮沈のカギを握るのは政治の責任と誠実な会計だった。よい会計慣行が政府の基盤を安定させ、商業と社会不安を活性化するのに対し、不透明な会計とそれに伴う責任の欠如が金融の混乱、金融犯罪、社会不安を招いてきたことは、何度なく歴史が証明している。(『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール:村井章子訳)
(GDPの)【トップ10か国だけで、すでに世界全体の「金力」(経済力)の7割弱を占めている。残り183か国で、100%-65.9%=34.1%をわけ合っているのです。
 嗚呼(ああ)、なんという格差世界!】(『日本人の知らない「クレムリン・メソッド」 世界を動かす11の原理北野幸伯
 日本では、いまも続く「日中対立」の原因は、石原慎太郎都知事(当時)がアメリカで「尖閣購入宣言」をしたこと。そして、日本政府が「尖閣国有化」にふみきったことだと考えられています。
 しかし、さらに前までさかのぼってみれば、「アメリカ没落」「中国浮上」「親中・鳩山内閣の誕生と崩壊」「親米・菅内閣の誕生」「代表戦での親中・小沢敗北」「尖閣中国漁船衝突事件」などがあったことがわかるのです。
 過去に起こった一連のできごとをくわしくたどっていくと、「親中の大物政治家」小沢一郎氏の「代表戦敗北」とともに凶暴化していった中国の姿が見えてくるのです。

(『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら北野幸伯
 未(ま)だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠(さしこ)めて、真直(ますぐ)に長く東より西に横(よこた)はれる大道(だいだう)は掃きたるやうに物の影を留(とど)めず、いと寂(さびし)くも往来(ゆきき)の絶えたるに、例ならず繁(しげ)き車輪(くるま)の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙(せはし)かりし、あるは飲過ぎし年賀の帰来(かえり)なるべく、疎(まばら)に寄する獅子太鼓(ししだいこ)の遠響(とほひびき)は、はや今日に尽きぬる三箇日(さんがにち)を惜むが如く、その哀切(あわれさ)に小さき腸(はらわた)は断(たた)れぬべし。(『金色夜叉』尾崎紅葉)
 一体、ロシアではどのような教育が行われているのでしょうか?
 私自身の経験をお話しましょう。(中略)
 試験の形式ですが、筆記試験はほとんどありません(レポートはある)。口頭試験(ウースナ)がメインです(ロシアの初等・中等教育も、数学や作文以外は、ウースナが中心)。
 どのような試験かというと、例えば、歴史であれば「日米が開戦にいたるまでの経緯を話しなさい」といったようなこと。日本とアメリカが戦争にいたるまでのプロセスを、全部覚えてロシア語で話す必要があるのです。しかも質問が山ほどある。
 試験の前に、100問くらいの質問を書いたリストが公表されます。そして、当日は一人一人教室に入り、裏返しになっている質問が書かれた紙を(くじ引きのように)取ります。そして、その内容を話さなければなりません。
 要するに、本の内容を1冊丸々覚えなければ試験に通らないのです(科目は山ほどある)。そのため、留年するロシア人や外国人もたくさんいました。
(『隷属国家日本の岐路 今度は中国の天領になるのか?北野幸伯
 色づいた木々の葉の美しいのは、あれは樹木の精神なのであろう。紅葉は、葉の最後の思想なのだ。そこには官能の美というものが微塵(みじん)もない。(『無為について上田三四二
 これで震度3のわけがない。身の危険を感じて机の下に潜った。
 隣のデスクは机を押さえ、踏ん張って立っている。というより、揺れのすさまじさに足がすくみ、その場から動けずにいた。女性の同僚は顔色を失い、床にへたりこんだ。不思議なことに誰も叫び声をあげない。「人間は本当の恐怖を感じると言葉を失うのだ」と思った。
(『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社)

震災
 さて皆さん――
【ブッシュは、神様と民主主義のために戦っているのでしょうか?】
 …………………………
【とんでもありません。】
 これが【インチキな見せかけ】であることを、一瞬にして証明しましょう。
 もしアメリカがキリスト教の神のために戦っているのであれば、イスラム教国と仲良くしてはいけないですね。
 もしアメリカが民主主義のために戦っているのなら、「独裁者」と仲良くしてはいけないことになりますね。
 実際、アメリカはアフガンを攻め、イラクを攻め、今はイランを敵視していますから、「そのとおり!」ではあります。
 まるごと、そうでしょうか?
 サウジアラビア、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン。
 思いつくままザッとあげましたが、この4国の特徴はなんでしょう?
 そう、【イスラム教の独裁国】であること。
 サウジアラビアは、【政教一致の絶対君主制】(!)。
(『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日 一極主義 vs 多極主義北野幸伯
 今度はどうすれば豊かになるか、ということについて考えてみましょう。援助というのは外から来るものです。だから、外からこちらに援助が流れてくるように、それを自分に引き寄せるエネルギーをもつことが大切です。反対に援助を引き離すエネルギーをもってしまうと貧しくなります。豊かになりたい人は、援助を引き寄せるエネルギーをたくさん作らなければいけないのです。それはある種の精神的エネルギーで、それを育てれば豊かになるということです。わかりやすい言葉で言えば、「布施」というものです。この布施という行為が援助を引き寄せるエネルギーなのです。布施という行為そのものよりも、まず布施をする気持ち――周りにいる人々、生命を助けてあげたいというこころのエネルギーが大切なのです。(『原訳「法句経」(ダンマパダ)一日一悟アルボムッレ・スマナサーラ

ダンマパダ
 そういう、先に向けての肩の荷をすべておろしてみると、譬えようもない身の軽さである。心は空(から)になった。入院をまつあいだ、私はふだんのとおり毎日の散歩にも出たが、風が吹くと身は紙のようにただようかと思われた。この身の軽さを持(じ)し、この心の空(くう)にあそんで、しかも余命なきいまの運命をもう何年か先にのばすことができないか。切に、そう願われた。1日24時間、その1秒1秒がそっくり私のものだった。そして私にしなければならないことは何もなかった。死を待つよりほかに。(『死に臨む態度上田三四二
「迷惑をかけたくない」という言葉に象徴される希薄な“つながり”。
 そして、“ひとりぼっち”で生きる人が増え続ける日本社会。
 私たちは「独りでも安心して生きられる社会、独りでも安心して死を迎えられる社会」であってほしいと願い、そのために何が必要なのか、その答えを探すために取材を続けていった。
(『無縁社会』NHKスペシャル取材班)
 21世紀初めには、実証的証拠に関心を持つ学者の間で、物々交換から貨幣が生まれたという従来の考え方はまちがっているというコンセンサスができあがっていた。経済学の世界ではこれは珍しいことである。人類学者のデビッド・グレーバーは2011年に次のように冷ややかに説明している。「そうしたことが起きたという証拠は一つもなく、そうしたことが起きなかったことを示唆する証拠は山ほどある」。(『21世紀の貨幣論』フェリックス・マーティン:遠藤真美訳)
 とにかく、家にやっとついた私は、ひなんのことを聞いても、ここまで津波が来るはずがない、あのチリ地震津波の時は、志津川の腸内は津波の被害にあったが、私の住んでいる地区は、ずっと山の方で高くなっているのでたかをくくって、茶の間に入り、やれやれと一息ついたところ、ちょうど隣へ来ていた実家のおばちゃんが「いたの」と、声をかけて入ってきた。「いたよ、入らい、お茶のんでいかい」と、お茶の用意をしていたとき、ゴーウッと音がひびいてきたのだ。
「あれ、何の音」と、出窓から川の方を見たとたん、信じられない光景が目にとびこんできた。出窓のまん中あたりを、ガレキをのせた津波が弾丸列車のような速さで、とんでいくのだ。そして、みるまに、その下の部分から波がくずれ落ち、隣へおしよせ、そして、我が家までおし迫ってきたのだ。その間、何秒もたっていない。
(『3.11 慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震金菱清編、東北学院大学 震災の記録プロジェクト)

災害
 1983年4月、京都産業大学の新入生たちは、歓迎講演会で面食らわされることになった。(中略)
 話の途中、居眠りをしたり関係のない本を読んだりしている学生がおれば、容赦なく叱りつけ、大教室から出て行かせた。若泉は、真剣であった。彼が述べたことは、国家としての日本に求めてきたことと通底していた。つまり学生たち一人一人こそ、とりもなおさず変わるべき日本人にほかならなかった。
(『評伝 若泉敬』森田吉彦)

若泉敬
 私には、現代の混迷と混乱のもとにあるものは、結局、「自由」と「秩序」の観念をめぐるものだと思われる。「欲望」と「規律」といいかえてもよいだろう。「解放」と「権威」といっても同じことだ。これらの観念について、われわれは新たな定義づけ、新たな関係づけを求めている。別の言い方をすれば、これまで歴史的に生成してきた「自由」と「秩序」をめぐる思考がうまく機能しない、ということである。これは、端的にいえば、西欧の近代思想の挫折といってよいと思われる。なぜなら、「自由」と「秩序」をめぐる問題は、これまで基本的に西欧近代と呼ばれる知的枠組みのなかで論じられてきたからである。(『西欧近代を問い直す 人間は進歩してきたのか佐伯啓思
 外国為替市場というサーキットでは、プロのドライバーが猛烈なスピードでしのぎを削っています。プロは、高性能のF1マシンに乗り、強力なサポート・チームを引き連れて戦っています。それでも悪戦苦闘の連続で、安定的な収益を上げることができていません。
 そんな場所へ、近所の販売店で買った量産車に乗ってサポートもなしに参戦してきた人がいます。個人投資家のみなさんです。そんなみなさんよりプロの投資家やディーラーのほうが、技術があり経験も豊富であることは言うまでもありません。しかも、しっかりとしたバックアップ体制が整っています。
 もし、個人投資家がプロに勝てたとしたならば、これはもう奇蹟でしょう。
(『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦)
 FRBは事実上、世界に対して通貨戦争を布告しているのである。FRBの政策がもたらす問題として懸念されていることの多くが、すでに海外で現れつつある。アメリカドルが増刷されると、中国でインフレ率が上昇し、エジプトで食糧(ママ)価格が高騰し、ブラジルで株式バブルが発生する。ドルの増刷は、アメリカの債務の実質的価値が低下し、外国の債権者が安くなったドルで返済を受けることを意味する。ドルの価値の低下は、途上国の失業率の上昇につながる。途上国の輸出品の価格がアメリカ人にとって高くなるからだ。その結果生じるインフレも、銅、トウモロコシ、原油、小麦など、途上国が必要とする原材料の価格を上昇させる。諸外国は補助金、関税、資本規制などによって、アメリカ発のインフレを撃退しようとしており、通貨戦争は急速に拡大している。(『通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した!ジェームズ・リカーズ:藤井清美訳)