脳という中枢の存在は、末梢である四肢の活動の経験の集積であって、末梢である身体なしに存在しえない。大雑把な言い方になるが、始めに「末梢での経験」があって、その経験を以後の状況で能率よく生かすために形成されてきた器官が脳なのだ。(『動きが心をつくる 身体心理学への招待春木豊