勇気〉という概念のなかには、神学的、社会学的、哲学的内容が一つに結び合わされている。これほどまでに人間状況を理解するための鍵として適切な概念は、あまりない。勇気というのは、まず第一に、倫理的概念ではあるけれども、それは人間実存の全領域にかかわるものであり、また、その根は、存在自体の階層にまで到達している。それを倫理的に理解するためにも、それは存在論的に考察されねばならない。(『生きる勇気』パウル・ティリッヒ)