例えば、一般信徒は、聖書の教えを聖職者から口頭で聞き学ぶべきで、自ら聖書を読む必要はない、あるいは、読んではならないとされていた。ラテン語で書かれた聖書は、聖職者たちが占有する門外不出の聖典であり、それを各地域の言葉に翻訳することは固く禁じられていた。(中略)ラテン語の聖書を自分たちの日常の言語に翻訳する試みも行われたが、そのような行為をするひとびとは異端として弾劾された。(『宗教改革の真実 カトリックとプロテスタントの社会史』永田諒一)