「古墳には稲荷の眷属(けんぞく)の狐が棲(す)んでいたからよ。狐には古墳だの墓地の穴だのに潜りこんで暮らす習性がある。その穴から出たり入ったりする狐は、古墳や墓に鎮(しず)まる死霊(しりょう)や祖霊(それい)の化身(けしん)と考えられていたんだ」(『真言立川流 謎の邪教と鬼神ダキニ崇拝』藤巻一保)