真実を追求する時が来た。
 事情聴取や取り調べにおけるキネシクス分析のプロセスは、“ベースライン”を見きわめることから始まる。ベースラインとは、分析対象が事実を語っているときに示すボディランゲージの目録のようなものだ。両手をどの位置に置くか、答えるとき視線をどちらに向けるか、その方角をどの程度の頻度で見るか、唾を呑みこんだり咳払いをしたりといったことを繰り返すか、“えーと”といった間投詞を頻繁に使うか、爪先で床を叩いたりするか、背を丸めるか、身を乗り出すようにするか、答える前にためらうか。
(『ロードサイド・クロスジェフリー・ディーヴァー池田真紀子訳)