私たちにこれから最も要求されるのは、自分自身の判断力(多様な人生を生き抜く選択の知恵である)と考える力だと思う。原理とか、原則とかに盲目的に固執していては、多様性と、変動に対処していけないのである。変動と多様化に対処するための教科書は存在しない。自分自身で素心になり深く考え、その結果、最も賢明な選択をすることだけが、残された唯一の方法だと私は思うのだ。(中略)私は、いい時代だと思っている。変動し、多様化する時代こそは、個人が自己の可能性を発揮しやすい時代だからだ。(『生きること 学ぶこと』広中平祐)