老いの意味とは何だろうか。進歩主義という宗教の中に入っていると、老いも死もあたかも存在しないかに見えた。高度経済成長の時代、人々は進歩を求めて都会でがむしゃらに働いた。ある日突然、田舎に残してきた親が倒れ、この世代は初めて老いの問題に直面した。そして今、自分たちの老いを迎えるに至った。高度成長を支えた世代を襲った自らのアイデンティティを突き崩すショックが二つあった。一つはオイルショック。もう一つが「老いる」ショックである。(『老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた三好春樹

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