残念な話だが、19世紀を代表する科学者のなかには、ヴェルヌとは反対の立場をとり、さまざまなテクノロジーについてまったく不可能と断じた人もいた。ケルヴィン卿は、ヴィクトリア朝時代において最も有名な物理学者かもしれないが(ウェストミンスター寺院でアイザック・ニュートンの隣に葬られている)、「空気より重い」装置が空を飛ぶことは不可能と断言した。(『サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か』ミチオ・カク:斉藤隆央訳)