ですから、今回も様々な意見が言われていますけど、仮にもっと人間関係の濃密な社会に戻すことができたとしても、誰かが加藤容疑者に注意していたら、今度はその人が殺される可能性が高い。通り魔事件は減るだろうけど、一家殺しは増えるという、とても皮肉な結果がおそらく待っているのです。実際、殺人事件が減少しているのは、むしろ、人間関係が希薄になってもっとも多かった子殺しなどのケースが激減したからなのです。そしていまは配偶者殺しがトップです。(河合幹雄
(『アキバ通り魔事件をどう読むか!?』洋泉社ムック編集部編)