従来の知能テストは、子どもの知能の「現下の発達水準」を見るものです。そのため、子どもが自分一人で、独力で解いた解答を指標として評価します。そこでは、当然、他人の助けを借りて出した答えは、何の価値もないと見なされていました。
 ところが、ヴィゴツキーは、子どもの発達過程を真にダイナミックな姿としてとらえるためには、このような解答をこそ大切にしなければならないと考えたのです。
(『ヴィゴツキー入門』柴田吉松)

心理学