水車が廻っている。なぜ廻るのだろう。
 もちろん、水の流れが水車を廻している。
 水は誰が流しているのか。いうまでもなく、高い所に降った雨が、重力にしたがって流れ下っている。
 なぜ雨が降るのか。
 太陽の熱で蒸発した水が空へ上がって雲になり、冷えてまた水となって地上へ落ちるのだ。水車を廻した水も、いずれ再び太陽エネルギーによって蒸発し、上空に昇って地上へ戻ってくる。
 水車は、太陽が廻しているのだ。
(『大江戸リサイクル事情』石川英輔)