ところが、ポツダム宣言を日本政府が受諾した直後から、連合国側、特にアメリカ政府の様子がおかしくなってくる。9月2日、米戦艦ミズーリの艦上で、交戦双方の政府代表が、政治的宣言であるポツダム宣言を条約化することによって法的拘束力のあるものとする「【降伏】文書」に調印した。日本政府は「ポツダム宣言」を受諾し、「日本国軍隊の無条件降伏」を一条件に休戦することに合意したのだから、調印したのは国際法上厳密に言えば「休戦協定」である。それを連合国側は意図的に「降伏文書」と名付けたのである。(『世界がさばく東京裁判 85人の外国人識者が語る連合国批判』佐藤和男監修)

東京裁判日本近代史