どうやら、わたしが木から聞き取った「小川のせせらぎ音」は木みずからが発した音ではなさそうです。さらに調べていった結果、この700ヘルツ以下の低い振動は地中から伝わってきているようでした。樹木に伝わる「せせらぎ音」は地球の鼓動音ともいうべき地中からの音だったのです。そしてカマキリが聴いていたものはどうやらこの音のようでした。(『カマキリは大雪を知っていた 大地からの“天気信号”を聴く』酒井與喜夫)