近年、国民が「問題を把握する力」はじりじりと増しています。これはインターネットのおかげです。しかし他方で、おおかたの論筆家や政治家や政策官僚が、軍事について一知半解の段階で学習をやめてしまっています。エリート意識を抱き、大きな国策判断に臨んでいる人々のなかの「不勉強」の部分が、心ある者の不安を誘います。“松下政経塾”的な“用語だけ外交”の心もとなさ、危なっかしさは、そこからくるのではないでしょうか。(『日本人が知らない軍事学の常識兵頭二十八