必要とあらばすぐに打てるよう常に心の準備をしておくべきだ。躊躇はない。必要なら打つとすでに決めているのだから。「攻撃的になれ」「緊張していろ」という意味ではない。単に心の準備をしておくだけだ。ある意味冷淡でなければならない。一筋縄では行きそうにない相手には「話し合いもできるが、打つべき理由があれば打つ」という覚悟を持つ。そうすると不思議なことに争いになりにくい。体のぶつかり合いになったらそれで良い。受け入れることが安全への鍵となる。そして冷淡な態度を保ちながらも、あまり強く打ちすぎないように訓練するのが大切だ。相手をストップさせるために打つだけだ。それが相手を打つための最初の準備である。相手を止める目的で打つ。不能にするまで打ってはならない。その気持ちは心に閉(ママ)まっておく。(ヴラディミア・ヴァシリエフ)
(『ロシア武術 自他を守り、心身を開発する打撃アート システマを極めるストライク!』ヴラディミア・ヴァシリエフ、スコット・メレディス:大谷桂子訳)

システマ