繰り返し聞かされる幼い頃の出来事などの情報から、それらしい場面を思い浮かべれば、無意識のうちに記憶の隙間を埋め、細部を作り上げることができる。すると、脳が情報の断片を自分の納得のいくようにつなぎ合わせるため、まるで本物の記憶のように感じる。これは「記憶の持ち主」が意識的に行うことでなく、無意識のうちに起こる。これを起こす主要なふたつのブロセスが「作話」と「情報源の混乱」だ。(『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』ジュリア・ショウ:服部由美訳)